奥多摩演習林の作業道。
路肩には、カラマツの実生がみられるところがあります。
演習林内でカラマツ実生の群生がみられるのは、この場所だけ。
極陽樹のカラマツの天然更新には、高い照度の裸地が必要です。
カラマツの松ぼっくりと種子。
カラマツの松ぼっくりはクリスマスリースにもよく使われますね。
カラマツの豊作周期は7~13年ととても長い。
凶作期の種子の値段は高価になり、100gで20,000円前後の高値になったこともあります。
スギ林の林縁にみられるサンショウ(ミカン科)。
まだつぼみですが、今年の花ができています。
黄色い花がこれから咲きます。
スギの根元に芽生えたコナラ。
周囲にコナラの木はありません。
これはリスや野ネズミによってドングリが運ばれ、
林地に埋められたものが発芽しました(貯食行動:cashing)。
一見すると、イロハモミジに見えますが、
これはエンコウカエデ(ムクロジ科)。
葉の表面がふかふかのコバノガマズミ(ガマズミ科)。
上記のコバノガマズミと一見、葉の感じは似ていますが、
こちらはツクバネウツギ(スイカズラ科)。
コナラ、カエデ、シデ類を中心とした広葉樹二次林。
ここで標高800mくらい。
後方に演習林内で最高峰の狩倉山(標高1452m)がみえます。
さらに上がって、標高1000mのオオバアサガラ林。
カラマツの林冠下でオオバアサガラ(エゴノキ科)はよく見られますが、
上層木がなくなった際には一気に上長成長をして、高木層を形成することもあります。
若齢ではきゃしゃな樹幹のオオバアサガラ。
でも、壮齢以降はご覧のような固い材を形成します。
オオバアサガラは、非常に萌芽再生能力が高い樹木です。
伐採後、数年が経過してから新たな萌芽枝がみられることもあります。
今年3月に開催された日本森林学会大会の講演要旨集の写真は、
この奥多摩演習林で撮影されました。
林床の広葉樹がオオバアサガラです。
同標高のヤマボウシ(ミズキ科)。
層状、面状に枝葉がつくのが特徴です。
農大構内や世田谷の住宅街でも植栽されていますね。
こちらは、カジカエデ。
カナダの国旗のカエデ(サトウカエデ)にも似ています。
そのカジカエデの稚樹。
周囲の林床の色とよく似た葉色です。
これは、ある種の「擬態」なのかも?
イヌブナ。
葉脈をはさんで左右が非対称の葉形です。
奥多摩演習林には、ブナ、イヌブナの双方があります。