森林学会の期間中、造林学研究室の蔵書で探し物をしている時に、ドイツの造林学、林学の本を何冊か見つけました。


これは、フライブルク大学のEduard Zentgraf(1882〜1973)教授の造林学の本。


ハイデルベルク大学の大学出版会から1951年に発行されています。

カバーの紙はぼろぼろですが、本体はしっかりしており、紙質も印刷も良好です。

冒頭では、第二次世界大戦の戦禍による森林の荒廃について簡単に述べられています。ドイツは、戦後保障で、ソ連などに大量の森林の樹木を拠出しました。


同教授とこの本の特徴は、森林生態学に基づいた造林学を展開し、述べていることです。

今日読んでも、内容は色褪せておらず、人工造林と天然更新の併用など、むしろ今まさに取り組んでいることも書かれています。また、林床植生の指標的な意義、重要性についても書いてあります。


紹介されている造林木は、針葉樹よりも、広葉樹が主体。ドイツの温量指数をはじめ、生育環境について記述されています。

これは、ナラ類についての説明。


続いてこちらは、広葉樹造林の教科書。

NegerとMuenchの二人の教授が中央ヨーロッパに見られる代表的な広葉樹について書いています。


1950年、ベルリンでの出版。

右上の「高原」の印は、所有者の印です。


樹形から枝葉、果実まで、今日と同様のスタイルですね。


こちらは、ベッツラの仲間。


クエルカスの仲間。

ドイツの森林官の徽章のデザインにもなっていますね。


そしてこちらは、林学概論。

まずこの伝統的なドイツ文字を読むには、トレーニングが必要です。


1918年の出版。大正時代の本ですね。

この本を高原さんは1924年に購入されたようです。


うーん・・・

読めない 😅

でも、時折、ドイツ語の文献も読むようにしています。