『青い塩』
先週より開催されている大阪アジアン映画祭での上映です。
韓国俳優の中ではダントツに好きな役者ソン・ガンホ兄貴の新作です。
チケット発売当日に押さえました。
ちなみにこの日、日本初上映。
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監督はハリウッドでリメイクもされた『イルマーレ』のイ・ヒョンスンさん。
監督の持ち味とポスターの文芸臭からはイヤな予感はあったのですが、
なかなかどうしてな安心サスペンスアクションでした。
『青い塩』よりは『ソン・ガンホ:沈黙の銃弾』くらいで公開してくれたほうが。
 
ソウルで極道の世界を極めながら足を洗い、故郷である釜山に戻ってきたユン・ドゥホン。
彼は街で店を開く事を夢見て、料理教室に通う毎日を送っていた。
そこで偶然パートナーになったのは、陰のあるセビンという20歳の女性。
次第に親しくなっていく二人だが、彼女は実は元の組織が派遣したドゥホン見張り要員だった。
元射撃競技の韓国代表クラスながら、スキャンダルで引退して裏の稼業に就いていたのだった。
一方、ソウルでは組織を束ねるボスが死亡、その遺言でドゥホンは跡取りとされているかもしれない・・・
ドゥホンの帰還に困惑する各組織のボスや政治家。
普通のおっさんにしか見えないドゥホンに親しみを感じ始めているセビンだが、
彼女の親友が組織の金を掠め取ろうとするヘタを打ち、その解放をエサに組織はドゥホンの暗殺を強要される。
 
【以降ネタバレあり】
 
 
あらすじを読んでいただければ分かる、模範的な「東映マーク」の任侠物です。
構成からも同じく「東映」モデルであろうデ・パルマの『カリートの道』にも影響受けていると思います。
この作品の新味は中年ドゥホンと若いセビンの年の差関係。
(ドゥホンの舎弟に「援交ですか」と揶揄される)
仕組まれた出会いがだんだん本物に変わって行く・・・。
「ファムファタール/運命の女」セビンを演じるのは、シン・セギョンちゃん。北川景子ちゃん似のベッピンさんです。
その相手をイ・ビョンホンやウォンビンじゃなくて、ゴツいソン・ガンホ兄さんが演ってるところがいいんです。
 
この作品ものすごい「映画の中のアレが食いたい」作品です。
物語の要所要所で「料理」と「食べ物」が出てきます。
韓国のおいしそうな料理が全編映っていると言っても過言ではありません。
ほとんどサブテーマです。
二人の間が縮まっていくのも、料理によってなのです。
「この味を殺すべきヤツに作るか?」
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この日は監督のイ・ヒョンスンさんも来てらして、上映終了後のティーチインがありました。
大阪ですから、なかなか面白い質問が飛びます
「ヤクザはベンツに乗るべきじゃないですか?何故ヒュンダイなのですか?」
監督も困ってましたけども「協賛です」
「韓国ではヤクザでないと愛は勝てないのですか?」
これまたお困りでしたけど・・・・「韓国では暴力が解決に必要な事が多い」
私も調子のって質問させていただきました。勿論「料理シーン」の事。
ちょっと曲がって通じてしまったのか・・・劇中のある印象的なお店がセットであることを教えてくれました。
後さらに調子に乗って「銃」の話。
いまどきセビンにワルサーP38を使用させている意図は?
これはワルサーの句クラシックなフォルムと高性能さを考慮したとの事でした。
つまりは監督の「趣味」ですね!
本当は劇中のセビンの革ジャン、バイクに呼応しての『ルパン三世』の影響と言ってほしかったんですけども。
 
タイトルの「青い塩」の対する監督の話が面白かったです。
完全ネタばれなんで、以降は観る方は読まないで下さい
 
「塩」は人間の生存にとって必要不可欠なものでありながら、多く取ると死に至る物質。
それをメタファー超えて現実にシーンに取り入れてしまったのですね。