カロルコという映画会社がありました。
でかい映画を製作し続けて自爆してしまった会社でしたが、結構好きな作品が多いのです。
『ランボー2』『トータルリコール』『氷の微笑』『ターミネーター2』・・・・
この会社の特徴は「過剰」な作品でしょうか。
製作費も過剰!
役者も過剰に豪華!
当時のナンバー1過剰イケメン役者ミッキー・ロークと、過剰な演技アプローチのロバート・デ・ニーロ共演。
作品は
『エンゼル・ハート/ANGEL HEART』
1987年度作品。アラン・パーカー監督作品。
リドリー・スコットの『レジェンド』の脚本を担当したウィリアム・ヒョーツバーグの映像化不可能とされていた小説を、映像派のアラン・パーカーが料理する!
期待を裏切らず奇妙な作品になっていたと思います。
ここでの「アレが食いたい」は「食い方」に興味が。

ゆで卵をコンコンと

おもむろに手のひらで転がし・・・・

転がし・・・罅を入れていく。

ベリベリと殻をむき・・・・
食おうとしているのは、

ロバート・デ・ニーロ扮するルイ・サイファー。

そのテーブルの向いにはミッキー・ローク扮するしがない探偵ハリー・エンゼル。
彼が依頼人サイファーに報告しているところ。
そんなシーンをゆで卵の殻をむく一連のシーンで語ります。
ただただ、ゆで卵の殻をむくだけの手のアップのシーンがこれほど禍々しく見えるとは・・・・

このデ・ニーロの演技を観た後、ゆで卵の剥き方が変わった人間は世界に何人居た事でしょうか・・・
私もその一人でした。
『エンゼル・ハート』
しがない探偵ハリー・エンゼルは、ルイ・サイファーと名乗る紳士から、行方不明になっている往年の人気歌手ジョニー・フェイバリットの捜索を依頼される。
破格の報酬に依頼に飛びつくハリー。
従軍後、精神をわずらい病院にいるはずのフェイバリットを訪ねるも、退院したと伝えられるハリー。
彼はその主治医を訪ねるが、手掛かり得られず、彼の訪問後主治医は惨殺され発見される。
それ以降も彼の行く先々で殺人が起きていく・・・
ゆで卵シーンもそうなんですが、
この作品不安感溢れる映像の宝庫です。
光と影のコントラストが印象的な撮影担当はマイケル・セレシン。
南部の湿っぽい感じまでフィルムに焼き付けられてます。
もしまだ観た事もない方がおられましたら、前知識は全く無しで観たほうが良い類の作品です。
原作「堕ちる天使」(ハヤカワから出てました)も傑作ですので機会があれば是非。