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その1
http://blogs.yahoo.co.jp/aku_4/9037930.html

上映時間がやってきました。
映写機からダダッ!と駆け下りた文樹監督はドアを閉め、カーテンを引きます。

監督・脚本・編集・撮影そして上映業務まで自らやっているのです。

文樹監督の口上が始まります。
「これから『ノモンハン』の上映を始めます。
これはノモンハンの戦闘で数千もの犠牲を払いながら、何故突然に停戦しなければならなかったのか?
その裏に何があったのかを描く作品です。昭和天皇の鶴の一声で停戦が決まったと聞きます。これが私が調べました所、そこにはある特殊な事情があった。そこにはある人物の存在が介在していたのです。」
そして
「これは最低の製作費で撮りました。役者も素人。私も演出ウマくありません。お見苦しい所多々ありますがご覧ください」
一応
「ノモンハン事件」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%83%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6

文樹監督の口上が終わると拍手が起こります。

パンフにあるあらすじを抜粋します。
「今から70年前、現在の中国北東部に日本の傀儡国家『満州』があり、その横には現モンゴルの内蒙古がソビエトの支配下にあった。旧日本軍は、当時の社会主義国ソビエトがどの程度の力があるのか(調査したく)ウズウズしていた。ある日、ソビエトと日本の間で国境紛争が起こった。これが日本では「ノモンハン事件」、ソビエトでは「ハルハ河事件」と称し、血みどろの戦いがくりひろげられた。
(中略)
旧日本軍は劣勢を挽回すべく準備をしていた。ところが突然の「停戦命令」。天皇の鶴の一声に逆らう参謀は一人もいない。しかし何故、天皇は軍部の意向に逆らうような命令を放ったのか、今尚不明である。しかしある状況を考えると、ある皇族将校が浮かび上がってくるのである。」

どうです?なかなか面白そうでしょう?

でも実はこれ「あらすじ」でも何でもありません。
物語の前日の話です。
これはその寒い国から帰ってきたある大佐の物語なのです。
【かなりネタバレです。問題ないと思いますが】
お話は将校の殆どが戦死あるいは自決したノモンハンより生還、敵前逃亡などの罪を疑われ、捕縛されていた渡辺文弥大佐(渡辺文樹)が恩赦によって福島の本家に帰ってくるところから始まります。
文弥大佐の息子文二郎は自殺しており、その妻ノブは演習でこの村を訪れた皇族将校、東久邇中尉との不倫が噂されています。
古い因習あるこの村で息子の自殺の原因かもしれない噂の出元を調べる文弥。しかも噂される相手である皇族、東久邇中尉と文弥大佐の間には実は因縁があった。
それはノモンハン事件に遡るものだった。

文樹監督の口上にあったように、役者は素人同然なのですが、ノブ役の女性は綺麗です。
文樹監督の存在感は大したものです。
文樹作品は「女優」の選択には定評がありますが、今作も裏切りませんでした。一体いつもどうやって見つけてくるのだろうか・・・・?

おそらく一灯の照明での撮影。しかしその半分に影が出る映像が何でもないシーンでも「緊迫感」を醸し出していて独特の雰囲気を作っています。
というのはヒイキ目で見ているからです。

台詞は映像とシンクロしていない。
人物の背中が映っているだけでセリフを被せて話が進む。同じ顔のアップが何度も使用されて違うセリフをアフレコする。
戦車のシーンは自衛隊の演習だかの映像なんで最新鋭のが映ってる。
でもね、こんなのは瑣末な事ですよ、とばかりにゴリゴリお話は進みます。

果たして東久邇とノブは不義をはたらいていた。
しかしそれは憲兵によって調べられた渡辺の家の出身をめぐる秘密を守るための行動だった。
逆上する文弥大佐。
息子はそんな事では自死なぞしない!
ノブの口より不義の事を聞いて絶望したのだ!

しかし憲兵と東久邇は通じ合っており・・・・

ラスト、お話は近代にたどり着きます。
東久邇中尉は生きて聖路加病院に入院中(メイクが!!)。
そこに看護婦に化けた暗殺者が文弥がノブを殺害するのに使用した文二郎の遺品のサーベルを持って近づく、入れ違いに病室を出た東久邇の走狗、元憲兵、村瀬がその顔を思い出し、駆け出すが、時すでに遅し東久邇は殺され、女は自殺していた。その女はノブの娘、文弥の孫だった。
バーン!と実際の東久邇氏の病死死亡記事が出てエンド

その暗殺者役の女優さんが確かどっかで見たと思ったのです。

あ~!さっきチケット売ってくれた人や!奥さんかぁ!(三枚目の写真で血みどろになっている人)

意外に「ちゃん」とした映画でしたよ。
時々「これは!」というカットもありましたし。
雨の中バイクに乗った憲兵・村瀬の前に現れ、バイクを止める文弥大佐(このシーンも道路が綺麗に舗装されているのですけどね)。
雨に煙った山道で対峙する二人をロングで捉えられた映像はなかなか美しかったですよ。

ここまで書いてきて、忘れていた事がありますね。
「ノモンハン事件」の突然の停戦命令の謎。
パンフの「あらすじ」として書かれながら、実はこれは物語には直接介入しないのですよ。
ラストにいきなり説明的シーンが付くというような。

ノモンハンに参戦した東久邇中尉を預かったのは文弥大佐の部隊だった。
東久邇の無事が絶対命令であるが、東久邇は上官である文弥を無視して暴走。
結果、追い詰められ敵前逃亡。捕虜となる。
昭和天皇は娘婿となる東久邇を救出するためにヒトラーを通じてソビエトのスターリンに金品を贈った。
その密約故の停戦であった。
全てを知る文弥大佐は軍の欺瞞を暴くために生き残り、自ら法廷闘争にかけたのだった

(ストーリーかいてしまって長くなったんで続く)
ちなみにカラー作品です。写真はパンフの複写なんで。
その3
http://blogs.yahoo.co.jp/aku_4/9476427.html