確定申告を終えて思うこと ~地道な積み重ねとAIという新しい力~
渋谷区 恵比寿 の 税理士 上田智雄です。
今期の確定申告が終わりました。期限の約1週間前の時点で、すでに90%以上の申告が完了。体感としても「これまでで最も早く終わった」と言える結果になりました。昨年と比べると、累計669日早く進んでいます。
↑実際に社内共有したイラスト
この成果は、決して偶然でも魔法でもありません。社内メンバーが昨年の確定申告の反省を活かし、「年末調整をもっと前倒しで進めよう」「12月決算を早く終わらせよう」「お客さまへの資料回収のご連絡を工夫しよう」と、日々の地道な改善を一つひとつ実行してきた結果です。
私たちはよく社内で「薄いウエハースを積み重ねる」という表現を使います。新しい価値の創造とは、一夜にして成るものではなく、泥臭い試行錯誤の積み重ねです。それこそが揺るぎないタワーを作り、今回の成果の強固な基盤となりました。現場で手を動かし、お客さまと接するメンバー一人ひとりが問題意識を持ち、自発的に改善を積み重ねてきたことが、この大きな力に繋がっています。
そして、早く正確に申告が終わるということは、その分だけお客さまへのご報告やご提案に充てられる時間が生まれるということです。私たちが業務を効率化する目的は、作業を楽にすることではなく、お客さまにより良い価値をお届けすることにあります。
閑散期に向けて ~「自分自身との約束」と目標の細分化~
これからまもなく閑散期(6月〜11月など)を迎えます。確定申告のように明確な期限がある業務とは異なり、この時期の取り組みは、自分たちで目標を立て、自律的に動いていく必要があります。
私たちはこの閑散期を、お客さまへのサービスの質をさらに高めるための大切な準備期間と位置づけています。絶対にやり切る「リアル目標」と、果敢にチャレンジする「ストレッチ目標」を明確に分け、一つひとつ着実に前に進めていきます。この時期をどう過ごすかが、次の繁忙期にお客さまへお届けできる価値の大きさを左右すると考えています。
テクノロジーを「てこ」にする ~AIの積極的活用~
今回の成果は、個人の頑張りに加え、チームの連携、そしてテクノロジーを「てこ(レバレッジ)」としてうまく活用できたからこそ生まれたものです。そして、これからさらに強力な武器となるのが「AIの積極的な活用」です。
AIの進化は激しく、昨日できなかったことが今日当たり前にできるようになる時代です。AIを使いこなすことはもはや必須スキルであり、働き方そのものを変えていく必要があります。作業系の業務や情報整理をAIに任せることで、私たちはお客さまとの対話や、より踏み込んだご提案といった、人間にしかできない仕事に集中できるようになります。「探す・迷う時間」を徹底的に削減し、その分をお客さまに向き合う時間に変えていくことが当面の目標です。
AIは「コンシェルジュ」、決めるのは人間
AIを業務に組み込むにあたって、忘れてはならない前提があります。AIは非常に優秀な「情報の整理役」ではありますが、質問者に忖度してイエスマンになったり、もっともらしい嘘(ハルシネーション)をついたりする性質を持っています。
だからこそ、「最後に意思決定をするのは人間」でなければなりません。AIは選択肢を整理してくれますが、最終的な判断は人間にしかできません。現場で培ったプロの経験を活かしてAIの出す情報を見極め、ファクトチェックし、「右か左か」を決めるのは、お客さまの状況を理解している私たち人間の役割です。お客さまに対する責任は、あくまで私たちが負います。
具体的な活用事例 ~「マツオカ先輩~仕訳処理~」~
実際に社内では、NotebookLMを活用したAIの業務導入が進んでいます。その代表例が「マツオカ先輩」です。
大量の専門書籍(約100冊)や過去の事例、そして私たちの事務所独自の仕訳ルールをAIに読み込ませて構築した、専門知識のAI化の仕組みです。複雑な仕訳の相談にも、AIが即座に根拠を示しながら方向性を示してくれます。更に松岡修造口調で、元気づけもしてくれます。
これにより、経験の浅いメンバーでも高度な対応が可能となり、業務の属人化を防ぐことができます。さらに、このルールブックは現場のメンバーが自ら編集し、日々の知見を追加してAIを育てていける仕組みになっています。こうした取り組みの一つひとつが、最終的にはお客さまへの対応品質の向上に繋がっていきます。
働き方の変化 ~エゴからフィロソフィーへ~
AIが多くの作業を代替していく中で、人間が価値を生み出すポイントは「新しいことに挑戦する」「人を力づける」「課題を自ら解決する」といった、より高度で自律的な部分に移っていきます。働き方は「管理されるもの」から「自律的活動」へと変わっていかなければなりません。
そこで最も大切にしているのが、「利己(エゴ)」ではなく「利他(フィロソフィー)」の精神です。「お客さまに喜んでもらいたい」「誰かの役に立ちたい」という想いこそが確かな羅針盤となり、AIという強力なツールを正しい方向へと導く力になると信じています。
AIに代替されない「人間力」を育む
毎朝の朝礼で行っている「輪読会」や「サンクスギフト(感謝と承認)」は、一見するとただのルーティンに見えるかもしれません。しかし実は、「人としての底力を育むための訓練」です。感謝の心を育て、人間性を高めるこの時間は、AIには決して代替されない、最も価値のある能力を磨くためのものです。
また、日々の業務の中で心身を整える「ショートブレイク(小休憩)」も大切にしています。リラックスして外の空気を吸い、身体を動かすことで、新しいアイデアが生まれたり、お客さまとの関わりに良いエネルギーを注げるようになります。
最後に
この閑散期は、自らストレッチ目標を掲げ、新しい働き方やAIツールに積極的に挑戦する「創造し続ける」ための期間です。これまでの地道な積み重ねが今回の確定申告の成果に繋がったように、これから重ねる新たな挑戦が、お客さまへお届けできる価値をさらに大きくしていきます。
テクノロジーと人間の力を掛け合わせながら、お客さま一人ひとりにとっての「最善」を追求し続けてまいります。
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