会計資料のデータ保存が容易に!電子帳簿保存法の施行後の留意点! | 渋谷区 恵比寿 の駅前 税理士のブログ

会計資料のデータ保存が容易に!電子帳簿保存法の施行後の留意点!

渋谷区 恵比寿 の 税理士 上田智雄です。

 

 

令和4年1月から会計資料のデータ保存がしやすく

なります。

 

これについて、またとないチャンスと捉える企業が

ある一方で、次のような声が聞こえてきます。

 

「うちは古い体質だから馴染まない」

「忙しいのに余計なことはやっていられない」

「どうせやっても評価されない」

「今で十分なので変える必要がない」

 

このデータ保存をすることについてのブレーキは、

それぞれ、その立場からすると正当な理由になるの

でしょうけど、

 

それは「データ保存」に限ったことではなくて、

何に対しても同じように生じる反応であって、

データ保存を止める理由にはなりません

 

 

ただ、本当に扱わなければならない課題もあります。

これは、たんに面倒くさいといった話ではなくて、現実的な

リスクになります。それを3つとりあげ解説します。

 

 

1 コストがかかるリスク

データ保存するなら「なるべく安く」やりたいと考える

のが普通ですが、それなりにお金がかかることがあります。

 

たとえば

・データ保存のシステム構築

・ソフトウェアのランニングコスト

・社員の教育費用

・スキャニングの労務費用

といったところでしょうか。

 

これについては、得られるベネフィットとの比較を

すると明確になります。

 

ベネフィットの例は

・書類を保管していたスペースの賃料や倉庫代の削減

・レスポンス向上によるビジネスチャンスの拡大

・IT化が進むことによる企業価値向上

です。

 

「IT化が進んでいるということ」は、眼に見える価値では

ないですが、採用、パートナーシップ、集客、契約、、、

など、ちょっとした差で大きな結果につながることがあります。

 

 

2 トラブルで止まるリスク

インターネットに接続できないというトラブルは、誰もが

一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

 

パソコン中心に仕事をしているとき、もはや何もできない

という状態が生じます。

 

これと同様に、データ保存したものにアクセスできないと

いうリスクがあります。

 

ここで考えておくべきことは、「システムは止まるもの」と

いう前提です。

 

止まっても一定期間は耐えられる状態をあらかじめ用意

しておくことで、対処ロスはまったく異なってきます。

 

たとえば

・法定申告期限よりも早めに手続きを済ます

・代替機器を用意しておくこと

といったことがおすすめです。

 

 

 

3 プロジェクトの失敗リスク

いま大々的に報道されている、会計資料のデータ保管が

やりやすくなった原因は、電子帳簿保存法という税制の改正

によるものです。

 

会計資料というのは、一義的には

税務調査に耐えうる状態になっているかどうか

というポイントがありますが、

 

別の用途があります。それは

「不正が生じた際にその証拠資料となる」

ということです。

 

多くのひとは、自社のお金に手をつける人なんていない

という性善説を取っているかと思いますが、

 

実際には、お金の世界は不正が発生します

 

詐欺や横領といったことです。

 

電子帳簿保存法の税務署対応だけを考えるのではなく、

民事訴訟法の証拠として押さえておく必要があるので、

弁護士などの外部専門家の力を借りることも必要です。

 

 

 

以上、会計資料のデータ保存は、業務改善レベルという

視点からすると効果は限定的かもしれません。

 

ただし、これからの社会変化を見すえ、それに対する

会社をどうしていくか?という視点からみると、

必然的にこの取り組みの大切さが湧き出てくるのでは

ないでしょうか。

 

 

 

 

この内容についての詳細は、奉行EXPRESSにも

寄稿させていただきました。

 

image

 

勘定奉行のOBC

奉行EXPRESS 2021AUTUMN

 

 

 

 

カチンコYouTube番組「マネーリテラシー研究所」

やっています!

 

一日1クリック応援お願いします。
にほんブログ村 士業ブログ 税理士へ

経営に会計を生かすのがミッション!

渋谷区 恵比寿駅 15秒の税理士事務所

いっしょに税理士法人

https://isshoni.co.jp/