こんにちは!植田涼介です。
押入れの奥に眠っていた古いラジオのスイッチを入れたとき、ジリジリというノイズの向こう側からかすかに聞こえてくる声に耳を澄ませた経験はあるでしょうか。ダイヤルを少し動かすだけで、全く聞いたこともない外国の音楽が流れてきたり、遠く離れた街の天気予報が飛び込んできたりします。その小さな箱は、普段私たちが生きている日常とは少しだけ違う世界への扉のようでもあります。
日常の中で自分のキャリアや生き方に迷いを感じるとき、私たちの心の中は、まさにノイズだらけのラジオのような状態になっているのかもしれません。周りの人の意見や社会の評価、自分自身に対する不安や焦りが入り混じり、本当に聴きたいはずの自分の声がうまく捉えられなくなってしまうのです。
個人向けのカウンセリングでお会いする方々の中にも、そうした心の雑音に圧倒されてしまっている方が多くいらっしゃいます。今の仕事に違和感を持ちながらも、周囲に合わせて平気なふりを続けたり、自分の本当にやりたいことを「自分には無理だ」とノイズの中に押し込めたりしてしまうのです。
そんなとき私たちが最初に行うのは、ダイヤルをゆっくりと回して、心の奥深くにある雑音を一つずつ取り除いていく作業です。一見すると関係なさそうな過去の失敗体験や、ずっと誰にも言えずにいた小さなこだわりについて耳を傾けていきます。
すると、ノイズの隙間からその人だけのクリアな言葉が聞こえ始める瞬間があります。誰かに決められた理想像ではなく、自分自身の経験から紡ぎ出された言葉です。古いラジオが急に鮮明な音を拾うように、自分の本当の想いに気づいた瞬間、人の表情は一気に明るくなります。
自分の進むべき方向や強みは、新しくどこかから買ってくるものではありません。すでにあなたの中に存在している信号であり、ただ雑音に消されて聞こえにくくなっているだけなのです。
周りの騒がしい声から少しだけ距離を置き、自分の内側から流れる音にじっくりと集中してみること。ノイズの向こう側にある微かな音を拾い上げたとき、あなたの目の前には今までとは全く違う鮮やかな景色と、これから進むべき道筋が見えてくるはずです。