超歴史や似非社会科学の極みといえば、、、、


この類いはキワモノ雑本でしかなく、読むに耐えないものばかりだが、何故か、、、陰謀論が皆さん好きなもんで、一定の需要がある。

この著者は、かなりしっかりとした実証的なノンフィクション作家。

ある程度読ませるし、これが捏造系陰謀史観ならば、たいした筆力と言わざるを得ない。

しかし、国史の知識やこれらの陰謀論に詳しければ、著作全体の構成や論旨の展開に面食らうようななんともとんでもないエピソードの山々で、逆に騙されるかも(^^)


孝明天皇暗殺説は正確には「否定」されていないし、まともな史家は肯定はしない。

合理的な疑いを挟む余地のない証拠がない以上、かような「風説」が噂される程度の扱い。一笑し黙殺すればいいのに、、、それが出来ない「何か確からしさ」があるんですよ。


一方で、明治帝替え玉説

流石にこちらの方は、、、苦笑するしかない。

物的証拠は存在するのだから、科学的に解明することは可能だが、誰もそんな事は望まない。


山川日本史でも、ほとんどふれることのない「南北朝正潤論」

朱子学的に血脈の正統性を論じても不毛だと思うし、天皇の系譜は北朝の流れで作成されてきたし、代々泉涌寺でお祀りされてきたのも然し。

朱子学の呪縛に囚われ南朝正統論を叫んだのは水戸派だけ。それがまあ、、、どういうわけだか、明治になり国論を二分する大問題になるとはなあ。

それが明治帝の「御聖断」で北朝系天皇を否定するって、、、かなり意味不明。しかし御聖断にその理由や根拠を質してはならない。


これらの三つのエピソードには因果関係があり、さらに、天皇機関説や大逆事件もまた!!

こうなれば、著者の見解を要約するのは大変だから、興味があれば公設貸本屋さんで借りて読んでください。

文庫版があれば、アタシなら自前で買うかも(^^)