昨年にもまして夏の冷感素材のウェアが界隈を席巻している(まるで一時期のユニクロのフリース状態)、、、アタシも愛用しており、確かに接触冷感には違いない。
しかし古典的には、夏衣装は....以下引用
紗(経糸二本が一組になり、そこに緯糸が織り込まれるごとに経糸がよじれ隙間を作る織り方)
絽(三本、五本、または七本ごとの緯糸に経糸を絡めで織る)
羅(よく解りませんが、古式豊かな複雑な織り方、、、だそうな)
はやい話がまことに上品な「シースルー」
下襦袢との色襲なんかもオシャレの手法なんだろうが、大抵はおとなしく白襲。
着てる方はさほど涼しくはないが、見た目はそう見えるし、そう見えてるだろうという気持ちで涼やかな気分にさせる。
夏衣
薄くや ひとのなりぬらむ
空蝉の音に 濡るる袖かな(俊成女 続後拾遺集)
続後拾遺和歌集って?? 後醍醐天皇の勅撰集だそうですが...観たことも詠じた事もない。
和歌集としての出来栄えは解りませんが、この和歌は定番の夏衣に相応しい技巧の粋をつくし、特段気持ちが涼やかになるものでもないが、オトコに飽きられたんだなあ、可哀想って。
なつころもはうすいのがあたりまえ
うすいと言えば、蝉の羽
羽が衣につきものの袖を連想し、哀しみの涙に濡れて薄いが故にしほるれて、あまつさえ蝉の声が傷口をしみこみ、、、薄情なオトコをただただ恨むばかりに落ち込んでいます。