着物には耳がある!?
今日から上田城千本桜まつりが2週間の会期で開催されます。
会期中は催しものや上田のご当地グルメの出店などがあって上田城の周りはとても賑やかになります。
上田城の桜は今が見頃なので明日あたり娘を連れて見に行ってこようかと思っています
さて、皆さんは着物(反物)に耳があるのをご存知でしょうか?
こちらが着物に仕立てる前の反物ですが、どこが耳か分かりますでしょうか!?
生地の両端5ミリぐらいの矢印部分のところが耳です。
いわゆる生地の端っこですね。
余談ですが、僕がこの仕事を始めた時は耳と言われても何のことかチンプンカンプンでした。。
耳の生地の部分はたて糸を太くしてあるので見た目でも地風が少し違うのがお分かり頂けるかと思います。
では耳は何の為にあるのかと言いますと、織りや湯通しの時に生地が縮まないように張りを出す為に伸子(しんし)という道具を使うんですが、その伸子を付ける為の部分が耳です。
写真のように伸子を生地の両耳につけます。
伸子の先は針になっていて、生地に穴をあけて生地を張っています。
穴のあいた部分を仕立てる時に使う訳にいかないので着物地に耳は必須なのです。
ところで展示会などで反物をちょっと触って風合いを確かめてみたい時ってありますよね。
その時は出来るだけ耳に近いところを触れるのがオススメです。
耳は仕立てる時には使いませんし、耳近辺も身頃などに入れば使わないところもありますので。
時々、生地を親指と人差し指で挟んで結構強めに生地をこすって感触を確かめる方がいらっしゃいますが、肉眼では見えなくても汚れがついてしまう可能性もありますので、触り方もちょっと生地をなぞる感じで軽く触るぐらいがスマートでいいかもしれません。
どうしても生地をしっかり触れて確かめたい場合は証紙がついている端の方がいいと思います。
僕も展示会で色々な産地の着物を見て、触って、勉強させてもらう時がありますが、小紋などのやわらかものの淡い系の色味の着物を触れる時は細心の注意を払って触れています。 もしくは触らないです。
耳の話からちょっと脱線しましたが、今度皆さんが展示会に行かれた際には耳部分にも注目してみてください。
きっとところどころに伸子を張った時の針の穴が開いているのを発見できると思います
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