家事事件における電話会議システム(家事事件手続法制定による導入) | 弁護士上田裕介のブログ

弁護士上田裕介のブログ

このブログでは、法律相談はお受けしておりません。複写、転載は禁止とさせて頂きます。
当事務所(菅・上田法律事務所)のホームページは、http://ueda-law.comです。

家事事件手続法について、追記します。



電話会議システムが、審判手続及び調停手続で利用できることになりました(家事事件手続法第54条、258条)。



電話会議システムは、既に民事訴訟では取り入れられています。


民事訴訟での電話会議システムは、一方当事者が遠隔地に住んでいる場合に、片方当事者のみが裁判所に出頭し、もう一方の当事者は、電話で参加するというものです。


遠隔地の裁判所まで出向かなくて済むため、便利なシステムです。



この電話会議が、新法においては、家事事件の審判や調停でも利用できることになりました。


家事事件手続法での電話会議システムは、民事訴訟とは違って、当事者の双方が、裁判所に出席しないで、電話会議によって進行することもできるようです。


但し、電話会議システムでは、証拠調べはできません(54条)。

また、離婚、離縁については、調停成立時には電話会議システムを利用できません(268条3項)。


これまでは、たとえば、別居した妻から夫に対し、婚姻費用分担金の調停申立をしたいが、当該妻に資産も収入もない場合に、事実上調停に出頭できない、という問題がありましたが、

この電話会議システムによって、この問題をある程度クリアしていくことができるかもしれません。



上田法律事務所

離婚専門サイト 離婚あすある