吾唯足るを知る | 弁護士上田裕介のブログ

弁護士上田裕介のブログ

このブログでは、法律相談はお受けしておりません。複写、転載は禁止とさせて頂きます。
当事務所(菅・上田法律事務所)のホームページは、http://ueda-law.comです。

「吾唯足るを知る」というのは、京都の龍安寺のつくばいに彫られている文字で、

不満を持つのではなく、今あることに満足していきましょう、という意味のようです。



なかなか、今あることに感謝、満足、ということは難しいです。


今あることに感謝しなければ~と、「がんばって」思うこと自体、

ただ、今あることに有り難いと感謝できる、という、幸せな心の状態からほど遠い気がします。



物質的には、非常に恵まれているように見える現代ですが、

本当に現代日本は恵まれているのでしょうか。


衣食住全てにおいて、本当に恵まれているのか。


モノに溢れている現代ですが、本物に囲まれている訳ではないのかもしれません。


安い化繊の衣類は量販店で買えますが、本物の生地に出会うことは少ないかもしれません。

また、デパートに置いてあるから良い物、という感覚でよいのでしょうか。


コンビニやファーストフード店で食糧は簡単に手に入りますが、添加物だらけ、遺伝子組み換え食品だって入っているかもしれません。

安全性に問題はないのか、疑問は尽きません。


住環境も、狭い部屋に、高い賃料を払わされる東京では、決して良いとは言えないでしょう。

田舎出身の私は、東京に出てから15年以上経ちますが、未だに満員電車には慣れません。。。



冒頭の言葉は、どんな環境でも、足りないところを見るのではなく、あるところ、満たされているところに感謝していきましょうという言葉ではありますが、

現代日本社会では、衣食住という生活の根幹部分において、なかなか満足できるものは身近にはないのかもしれません。


反対に、本当に価値のあるものではないものが、身の回りにあふれている。


さらに、情報化社会が進み、あらゆる場面で、脳に情報が突き刺さってきます。


そんな状況で、ただあることに感謝しようと言ったところで、現実味のない言葉に聞こえてしまうかもしれません。


人間の感情は、周囲の環境に対して反応して動いていると聞いたことがあります。

騒音を聞けば、「うるさい」と感じ、

プロのバイオリニストの演奏を生で聴けば、情景が脳裏に浮かぶような感動を覚える。


もしそうなのであれば、

自分の周りの情報や物は、できるだけ、自分に優しいものを選んでいくことによって、もしかしたら、自分のまわりに対して、少しずつ感謝したり、満足したりしていけるようになるのかもしれません。。

ものすごく抽象的ですが。。。