中国古典文学「紅楼夢」面白い~!! | 卯月のブログ

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神奈川在住の主婦、卯月かりんの日常です。
石けんライフや旦那と一緒に勉強しているアイヌ文化のお話、愛する北海道や日常に起こった出来事など、まったりゆったり書いて行きます。あ、更新もゆったりかもです(汗)。



最近古典が面白いです。
元々岩波の「金瓶梅」や「随園食単」が好きでしたが、ずっと気になっていた「紅楼夢」岩波文庫全十二巻セットをこの前箱入りでゲット!!

清の時代(年代はぼかされてます)、姉が皇帝の正妃となった超お金持ちの賈家のお坊っちゃま、賈宝玉(かほうぎょく)は、口に小さな美しい玉を含んで生まれました。その石は中国の創世神話で、女神女禍が天のほころびを石を練って埋めたのですが、最後に一個余ってしまった石なのです。
その通霊宝玉が意思を持って人界へ行きたいと願い、天界から人界へ下った天人(宝玉)の赤子の口中に含まれ、以後宝玉と運命を共にします。
正妃を里帰りさせるために賈家が作った巨大な箱庭「大観園」の中に様々な親戚や縁戚の美少女が住み、その中で賈宝玉は運命に翻弄されることとなります。

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いや~、面白い!!色んなタイプの美女がいっぱいですよ。園内の色んなタイプの建物の中に色んな美少女や美女が住んでて、個性的。初期のアンジェリーク男女逆転みたいなイメージ。それぞれのエピソードが楽しい~。

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主人公の宝玉はローティーンの、女の子と間違われるほどの美少年ですが「女の子は水で出来たきれいなもの。男なんて汚らわしい泥の塊だ!!」と、女の子とばかり遊びまくり、激甘な一族の皆さんから生温かく見守られてわがまま一杯に育ってますね・・・。父の賈敬が「勉強しろ!!」と軟弱息子を怒るたびに、周囲の女性が寄ってたかって止めるのがすごい・・・。
詩才があって頭もいいんだけど、才能をつぎ込む方向性が違うんだよね~(汗)。後半皆からアホ呼ばわりされたりするし。最後は決めてくれますが。

メインヒロインの細くて病弱だけどツンデレ(他に上手い表現が見当たらない)な林黛玉(りんたいぎょく)ちゃんが可愛いです。対になる元気&明るいタイプのヒロイン薛宝釵(せつほうさ)はちょっと好みでない。
中国では「恋人にするなら林黛玉、結婚するなら薛宝釵」と言うそうですね。

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個人的には宝玉の付き人、花襲人(かしゅうじん)が、優しい年上姉さん的で好き。後、お金に厳しくツッコミ魔人の王熙鳳(おうきほう)義姉さんと可愛い小使いの秋紋ちゃん。有髪の比丘尼の妙玉さんも、ツンケンしてるけど憎めない。
一族の頂点に君臨するお婆様、史大君もいい味出してます。田舎物の劉婆さんをいじりたおす辺りは爆笑ですね。

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舞台の金陵の中でも最も優れた女性十二人を表す「金陵十二釵(金陵の十二本の簪)」だけでも美人がいっぱいですが、全体はすごい人数出てくるんですよね。男性は名前が一文字しか違わなかったりするので、判別が大変です。しかし宝玉の一族はホントにしょうもない男ばかりですな・・・(汗)。意図的なんだろうけれどね。
他には物静かで知的美形の皇族、北静王様と宝玉の交流や、塾で仲良くなった美少年秦鐘など、色々女性へのサービス?も。北静王様、紳士で素敵だ・・・。

紅楼夢の後半部分は失われて、違う人が書き直しているのですが、ラストで泣かせてくれます・・・。よっぽどこの作品が好きなんだね!!というファン心が伝わってきます。

十二人のメインヒロインで全百二十回、十二冊セット。巻数もいいですね(笑)。気になる方はぜひ読んでみて下さい。難を言えば、なかなか売ってないんですよねぇ。