2015-08-23の記事
「ラッキーナンバー24.」
は後でアメンバー限定記事にしたものです。
夫が亡くなって
一年後に一人娘が結婚した。
バージンロードを一緒に歩きたかっただろう。
真っ赤な顔して汗だくで涙も鼻水も
どうしようもないくらい流れっぱなし。
そんな姿が目に浮かぶ。
でも案外お洒落でカッコしいのあなたは
澄まして歩いていたかも?
ずっと体格が変わらないお父さんを見てきた娘は
お腹の出てる男性は無理!って
癌を患ってからは
さすがにエイトパックの腹筋は衰えたけど
最期までお洒落でしたよ。
結婚して20年目に離婚。
でも4年間同居して
結婚後24年目の4月24日に家を出た。
そして丸1年後の4月24日に白血病で逝く。
誕生日は10月24日。
学生時代の出席番号はずーっと24番。
実家の住所も電話番号も24.
それって自慢?
あなたのラッキーナンバー24.
亡くなる直前に同じ人と再婚した。
病院から高速飛ばして入籍。
トンボ帰りで病院に着くと
あなたは待っていてくれた。
娘にシッカリ手を握られて
苦しそうに天井を見上げて。
もう大丈夫。家族に戻ったよ。
3人一緒だから。
娘にお父さんを呼ばないで。
楽になってもらおう。
1年前。
両親も弟も次々に亡くした。
みんなでお迎えに来てくれるよ。
飲み友だちもほとんど向こうだもん。
あなたの右手が上がる。
来てくれたの?
微かに微笑んで手が静かに降りてくる。
優しい安心しきった顔だった。
再婚は2時間足らず。
もしかしたら24秒が隠れていたかも?
お通夜に
私は寝込んで出席出来なかった。
娘が1人で喪主を務めた。
再婚は娘と二人だけの秘密だった。
私の姓のまま。
葬儀に
私は喪主の母。
元妻として参列した。
混雑したお店で順番を待っている。
思いがけず早くに順番が来る。
得した気持ち。
座って番号を見る。
24番。
もう!お父さんったら!
娘が笑って言う。
いつもお母さんのそばに居るよ。
お父さんはお母さんのこと
大好きだから。
アピールしてるんだよ。
そっとしとこうね。