花さんベッドは仏間に帰りました。
肋骨のヒビから
仏間を出て母と離れましたが
2ヶ月と13日間
母の認知症はどんどん進み
私の事を忘れて
毎日のように
「私の娘が神戸から帰って座敷で寝るんだから
アンタは早く出て行って。」
「お母さん。私もお母さんの娘よ。」
「アンタの事なんか知らんよ。早く出て行って。」
この会話が本当に毎日繰り返されて
私は体調を崩しました。
幸い娘が母を看てくれたので
助かりました。
娘が見かねて
母のディサービスの間に
ベッドを
母の元部屋に移してくれました。
ディサービスから帰って
私を探した母は
「花ちゃん。
こんな荷物だらけの部屋で寝んでも
私と一緒に寝よう。」
朝とディサービスから帰って
7時くらいまでは
私が花ちゃんと認識してるようですが
7時頃にスイッチが入るんですね。
ブツブツいろんな事を話し出します。
「座敷で寝てた人は本当に出て行ったん?」
「ここで寝てた人も居なくなったんよ。」
「神戸のＭちゃんは今日帰るんね?」
何度も何度も繰り返し話します。
部屋を移って1ヶ月。
部屋の入口で
「睡眠薬下さい。」
「桃ちゃんに言ってくださいね。私は分かりません。」
姉が9月1日から2週間来てくれてご機嫌な母です。
「ここで寝てた人が居なくなったんよ。」
「ずっとお母さんのお世話してくれた花ちゃん?
お母さんの娘よ。」
「違います。
あれは家政婦さんよ。
お世話する人よ。」
姉は毎日何度も
母に言い聞かせてくれました。
「ここで寝てた人はお母さんの
3番目の娘で花ちゃんよ。
私の妹よ。
お母さんのお世話をしてくれたでしょう?」
姉が帰って
ディサービスの間に
娘夫婦がベッドを仏間に
移してくれました。
帰った母は
「花ちゃん?
いつの間に帰ったん?
不思議やね?」
それまで娘も姉も
母の認知症が進んで
どんどん訳が分からない事を
何度も言うね。でしたが?
姉のお陰で少し落着いてきていました。
私が肋骨にヒビがはいる前の
仏間のベッドに寝はじめると!
母もその頃に戻ったように
さらに落ち着いてきました。
実は姉が来る３日前に
私は心にためて堪えていた
想いを母にぶつけました。
寂しかったのか?
初めて母が元部屋の中に入って来て
ベッドに座ってた私のすぐ横に
座った時に
拒絶感がどうしようもなく
思わず口に出ました。
「早く出て行って。
仏間に帰って。」
「そなん偉そげえに言わんでも良かろ。」
「お母さんが言うたんよ。
私の娘が帰るけん出て行って。って。」
「私がそんな事を言う筈がなかろ。」
「お母さんが忘れても私は覚えているよ。」
母は黙って出て行きました。
認知症なんだから。
分かっていても
私の心は閉ざされていて
拒絶感は抑え切れませんでした。
翌日は母の通院日です。
娘が運転して
私が後部座席に母と座りました。
平気でした。
不思議に自然に母のお世話が出来ました。
以前のように
母の目を見て話せます。
想いを吐き出した事で
わだかまりが消えていました。
もともと母が大好きだった
私です。
姉が帰る前に私に聞きました。
「花ちゃんがお世話が無理なら
弟が言うように施設を考えないといけないけど?
まだお母さんは自宅に居たいと思うけど
それは私が言える事でないから
花ちゃん次第だから。
桃ちゃんにはこれ以上負担はかけられないし
弟にも強くは言えないんよ。」
「大丈夫だよ。
私が体をもっとシッカリさせて
頑張るから。
お母さんは以前のように
私が傍に居るから。
申し込んでる施設の順番がきても断る。」
「プロが栄養を計算して健康を考えた食事が出ても
食べなければ意味がないし
新しくて衛生的な部屋や環境が揃っていても
心を許せる人がいなければ
寂しいもの。
花ちゃん。大丈夫?」
台風が去った朝は澄み渡る
青空の下
ディサービスに出掛けた母を
以前のように見送りました。
姉が球根を分けてくれた
白い彼岸花は
台風に負けずに咲いています。
フウとブン↥
ブン↥
コジ↥
ルナ↥
スミ↥
キキ↥
フウ&スミ親子
ルナ&ココ
ココ↥
ユズ↥
仏間の花さんベッドに大移動です。
母はうちの子は5匹と言います。
① 白ちゃん (ルナ)
②フジコさん (スミ)
③茶色い子 (フウ)
④黒ちゃん (ブン•コジ•ココ)
⑤小さいフジコさん (ユズ)
キキも黒ちゃんですが
二階か娘と一緒に庭ですので
ほとんど母の目にはとまりません。
もし見てもキキとココは
同じ白黒のハチワレで
ニコイチで同じ子と思うでしょう。
バアバとルナとスミ♡↥
黄色は米寿のお祝いに送る色だそうです。