④の続き
ちょっとお医者さんと2人で話すというファザーを残し、私と待合室に座ったマザーは待ってばかりで退屈だと言って、さっき売店で買ったお菓子を食べ始めた。
堅揚げポテト、初めて食べたと嬉しそう。
飴とかジュースとか、待合室でずっとなんか食べるから、脳痩せささんと腹痩せや〜ってイヤミ言ってもうるさいねーこの子は、と笑ってる。
マザーは、病気のせいなのか歳なのかわからないが、昔と比べてとても寛大になった。怒らなくなった。文句くらいは垂れるけど、カッとなったり拗ねたりがなくなり、ファザーもその点はアルツハイマーだった亡くなったおばあちゃんもそんな変化があったと、素直に嬉しくはないようである。
自分で全然心配にならへんの?って言ったら、
「うんまぁ、だってこの程度の人ってなんぼでもおるやん」
自分の脳画像のことは一切心配してなくて、ファザーの点数が自分より悪かったしあの人認知症やと思うわって笑ってる。
こうして検査は終わり、ファザーは脳血流シンチグラフィーを予約した。
⑥に続く