宇宙に存在するすべてのものが回っている。
このニンジンを育てるのは土と水と光であり、
ニンジンの葉は酸素を作りながら成長する。
そして人の食べ物となり肉体を作り、命をつないでくれる。
人の食べた物はやがて堆肥となり、
虫や微生物によって再び土に還ってくる。
植物の体内を通過した水は、葉から霧散作用により空中へ出て、
冷やされて雨となり、その雨は作物の命を育てている。
太陽の光を元にして、宇宙のすべてが連鎖し、
命のエネルギーは大きく循環している。
人が生きていく上で一番大切なものが足元に生えている一本の草にあると
畑から教えてもらった時、すべてを手にした思いで、
ニンジンを握りしめたまま、
無限の幸せの中にひたっていました。

赤峰 勝人 著 「ニンジンから宇宙へ」Ⅱ より