今年見た映画73本目は
「ぼっちゃん」
「まほろ駅前多田便利軒」の大森立嗣監督が、秋葉原無差別殺傷事件の犯人をモチーフに描いた作品です。
今名古屋で公開中。私は公開初日と昨日の2回、観に行きました。
秋葉原無差別殺傷事件。イヤな事件です。事件も犯人もきらい。そんな人が主人公の映画を自分がみて、万が一、主人公に共感でもしたら人として終わりなんじゃないかとも思って、見るのがちょっと怖かったりもしました。
でもこの作品、事実をそのまま描いているわけではなく、あくまでモチーフとして作られたフィクションなんですね。
主人公の梶くんも加藤被告と同じ派遣労働者。
ひとりぼっちの梶くんは小心者で、思ったことを口に出せず、いつも携帯の掲示板サイトに心の声を書き込んでいました。長野の工場で働くことになった梶くんは、そこで似た境遇の田中くんと出会い友達になるのですが…。
この映画を見た後、気になって加藤被告の犯行までのネットでの書き込みを見ました。
あの書き込みの言葉が映画の梶くんの心の声やセリフとしてそのまま使われていましたね。
ですが、ストーリー展開からいっても、加藤被告と梶くんはやっぱり別人だと思いました。
そう思うことで、自分と梶くんと加藤の共通点を、正当化しているだけなのかもしれませんが。
特にラブホテルのシーン。
あれは梶くんなりの人助けであり、自分自身も黒岩に決着をつけようとしたんだと思うんです。
あの時の梶くん、あそこにいる人たちのなかで一番冷静でかっこよかった。何かを悟っているようにも見え、ヒーローみたいだった。
梶くんの言動、行動には、監督の思いも詰まっているような気がするんです。そして彼を演じた水澤さんの魅力も含まれているし。
梶くんは、自分のことブサイクで性格悪いって言うけど。
性格が悪いんじゃない。コドモなんだよ。
そういう部分はだれにでもあって、だからこそ共感するんだと思うのです。
梶くんは、優しいし、叫ぶのも素直だからだと思うし、無知なところも可愛らしい。
だからどうしても、加藤被告と梶くんを重ねて見ることができませんでした。
梶くんいっぱいつらい思いしたから、見ていてつらくなるシーンもいっぱいあります。
でもこれコメディなんじゃないかな。面白かった。何度も笑っちゃいました。梶くんと田中くんのシーンとか微笑ましくてニヤニヤしちゃいましたし。
好き嫌いは分かれるかもしれませんが、見る価値は十分あると思います。こういう映画を見る機会ってなかなかないから、たくさんの人に見てもらいたいなと思いました。
「ぼっちゃん」
「まほろ駅前多田便利軒」の大森立嗣監督が、秋葉原無差別殺傷事件の犯人をモチーフに描いた作品です。
今名古屋で公開中。私は公開初日と昨日の2回、観に行きました。
秋葉原無差別殺傷事件。イヤな事件です。事件も犯人もきらい。そんな人が主人公の映画を自分がみて、万が一、主人公に共感でもしたら人として終わりなんじゃないかとも思って、見るのがちょっと怖かったりもしました。
でもこの作品、事実をそのまま描いているわけではなく、あくまでモチーフとして作られたフィクションなんですね。
主人公の梶くんも加藤被告と同じ派遣労働者。
ひとりぼっちの梶くんは小心者で、思ったことを口に出せず、いつも携帯の掲示板サイトに心の声を書き込んでいました。長野の工場で働くことになった梶くんは、そこで似た境遇の田中くんと出会い友達になるのですが…。
この映画を見た後、気になって加藤被告の犯行までのネットでの書き込みを見ました。
あの書き込みの言葉が映画の梶くんの心の声やセリフとしてそのまま使われていましたね。
ですが、ストーリー展開からいっても、加藤被告と梶くんはやっぱり別人だと思いました。
そう思うことで、自分と梶くんと加藤の共通点を、正当化しているだけなのかもしれませんが。
特にラブホテルのシーン。
あれは梶くんなりの人助けであり、自分自身も黒岩に決着をつけようとしたんだと思うんです。
あの時の梶くん、あそこにいる人たちのなかで一番冷静でかっこよかった。何かを悟っているようにも見え、ヒーローみたいだった。
梶くんの言動、行動には、監督の思いも詰まっているような気がするんです。そして彼を演じた水澤さんの魅力も含まれているし。
梶くんは、自分のことブサイクで性格悪いって言うけど。
性格が悪いんじゃない。コドモなんだよ。
そういう部分はだれにでもあって、だからこそ共感するんだと思うのです。
梶くんは、優しいし、叫ぶのも素直だからだと思うし、無知なところも可愛らしい。
だからどうしても、加藤被告と梶くんを重ねて見ることができませんでした。
梶くんいっぱいつらい思いしたから、見ていてつらくなるシーンもいっぱいあります。
でもこれコメディなんじゃないかな。面白かった。何度も笑っちゃいました。梶くんと田中くんのシーンとか微笑ましくてニヤニヤしちゃいましたし。
好き嫌いは分かれるかもしれませんが、見る価値は十分あると思います。こういう映画を見る機会ってなかなかないから、たくさんの人に見てもらいたいなと思いました。