今年見た映画45本目は

「白夜」

フランスの巨匠ロベール・ブレッソンがドストエフスキーの原作を映画化したラブ・ストーリーです。

人と話すのが苦手な青年ジャックは、セーヌ川に架かる橋で身投げしようとした少女マルトを助けます。マルトが1年前「1年後の同じ日に再会しよう」と約束した恋人を、この橋で待っていると知ったジャックは、マルトと一緒に彼を待ち続けますが…。

1971年にフランスで公開され、その後あまり上映される機会がなかったという貴重な作品。

フランス映画といえば、大人のイメージ。でも、実際は若者の青春ラブストーリーでしたね。

ジャックは内向的な性格で、気になる女性の後を付けては、部屋でその人との妄想をカセットに録音するというちょっとヤバめな男の子。
一方、マルトは部屋に間借りしていた学生に恋をしますが、学業に専念したいと一旦別れ、1年後ふさわしい人になれたら迎えにいくと言う彼の言葉を信じて待つ女の子。
どちらも十代の青春時代にありがちな男女でした。2人とも全然違うタイプですが、両方に共感しちゃいました。

泣いてばかりのマルトに、ジャックはマルトの恋人の知り合いに手紙を渡しに行ったり返事を聞きに行ったりと、献身的に尽くします。
でも、妄想録音の相手がマルトに代わっただけで、本質的には何も変わらないジャック。ふられたら相当傷つくよね~と思いましたが、これが恋を知らない彼の、恋の仕方なんだからしょうがない。

そんなこんなで、なかなか現れない恋人に待ち疲れたマルトも徐々にジャックに惹かれていくんだけど~。

ラストは、「あ~やっぱそうなるか」という感じで。
マルトも若さゆえの判断だったりもするんだよな~。これは誰も責められない。
でも、ジャックにとってはかなりのダメージ。
「大丈夫、若いんだから。」と声をかけてあげそうになる程のラストシーン。心の痛みが伝わってくる名シーンだと思いました。

1970年代初頭のパリの街並み、マルトのファッションなど、雰囲気あっていいですね。ストーリーは全然古臭く感じないし。40年以上前の作品とは思えないです。

初恋ってこんなに苦いもの?
ふと、自分の初恋を思い返して、トホホとなりました。