逢魔時王(おうまじおう)』

古代インドはマガダ国(摩国)にて、ソーグォ王子(創劫王子)、またオーマジ王(央摩慈王)と呼ばれていた王については
華面来多(かめんらいた)から始まるいくつかの文献で述べたが、もう賢明な読者諸君は気づいているのではなかろうか。
古代インド史においてこんなにも有名な王が、なぜ全くと言っていいほど知られていないのかを。

戴無邪苦禍(たいむじゃくか)の崇王誅(すおうちゅう)を打ち倒し、平和な治世を作ったオーマジ王。
彼の晩年は、全く記録が残っていない。
それどころか、実は後の世の歴史書には彼の名前が全く存在していない。
ただ唯一、オゥズ大臣が書いたとされる「逢魔降臨歴(おうまこうりんれき)」という書物にのみ、オーマジ王の名前を見ることができるが、
その最後のページには、オーマジ王自らが晩年歴史書を改訂し、彼の名を全て消させた事が記されている。

オーマジ王は、亜難邪儡駄(あなじゃらいだ)戴無邪苦禍、そして九王者(くおうじゃ)のことを後世に残すまいとして、
自らの半生を別の王の半生として似て異なる歴史を石柱や歴史書に記録させ、彼らのことを歴史に葬ったのだ。
そしてオーマジ王は、摩国が「平和な国と成る」こと、すなわち「平成」を願い退位すると、その後は
妻のアルピナー(安秘奈)と共に幸せに過ごしたとされている。
平和を祈ったオーマジ王は、人知れず「央摩慈王(おうまじおう)」から「逢魔時王(おうまじおう)」、
すなわち逢魔が時の王…誰そ彼(たそかれ、誰かわからない)の王へと変わったのであった。

現代、仮面ライダージオウという特撮番組においてオーマジ王の半生とよく似た展開が何度も出てくるが、
これはジオウが平成仮面ライダーを受け継ぎ、残していくというテーマから考えると、やはりスタッフは
仮面ライダーという形を通じて、オーマジ王の半生の記録を残そうとしたのではないかと思われる。
なおオーマジ王、いや、アショーカ王(阿育王)が残した石柱は、現在アショーカ・ピラーと呼ばれ
インドの仏教史を知る上で非常に貴重な資料となっていることを、ここに記しておきたい。


民明書房刊『祝え!平成仮面ライダー20作品 奇跡の軌跡〜Now, Over “Quartzer”』より




華面来多(仮面ライダージオウ)シリーズの民明書房
華面来多(かめんらいた):仮面ライダージオウ
魅雷動応知(みらいどうおうち):白ウォズとミライドウォッチ
慈王頼導王治(じおうらいどうおうち):オーマジオウとアナザーライダー
芸通利倍(げいつうりばい):ゲイツリバイブ
帝継道(でいけいどう):ディケイドとライドヘイセイバー
戴無邪苦禍(たいむじゃくか):タイムジャッカー、スーパータイムジャッカー







祝福の刻! 
最高!最善!最大!最強王! 
逢魔時王! 




つい先日、ジオウも最終回となり、平成仮面ライダーというお祭りテーマの一年が終わってしまいました。
ラストのオーマジオウ、強かった…
クウガからのレジェンドだけ来れなかったのが残念です…そこだけが心残り。

そして、長く続いたジオウの民明書房も、これで引用一応完結です。
(マジェスティとオーバークオーツァーは気が向いたら扱い)
稚拙な文でしたが、シリーズとして楽しんでいただけたのなら幸いです。ありがとうございました!

最初はアーマータイムと変面を合わせただけだったのが、途中から設定がだんだんリアルになってきて
最後は「歴史書を書き換えてアショーカ王として記録されたからオーマジ王は居なくなったんだよ!(AA略」という無茶振り。
マガダ国、カリンガとの戦争、仏教保護、法(ダルマ)の治世と、アショーカ王を匂わす語句を入れていたので、
ちょっと詳しい人なら、途中でモチーフわかっていたかもしれませんね。
(アショーカ・ピラーはインドの「錆びない鉄柱」で聞いたことあるかも)


ゼロワンの民明書房はまだわかりません。令和ライダーだから、文献出てくるにしてもしばらく経ってからになるんじゃないかな…?