も一度カチって行かせて欲しい
ミスして腕を伸ばして
耐えて耐えて耐えて Ah〜(落下)

も一度カチって行かせて欲しい
このままずっと腕保持
このままもっと指保持
耐えて耐えて耐えて
Oh falling down! (落下)

Oh No ホールドに 耐えれない 男ね……フゥ〜♪

懐かしいな!



今回は「ホールドって何?どんなものがあるの?」についてです。

ボルダリングは、壁にホールド(写真参照)という掴むものをくっつけて、そこを手掛かりにして登るのですが、
そのホールドには本当にいろいろな種類があります。

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こんな↑感じのシンプルな形状から、モチーフがあるものまで様々です。
(クライミングジムアークさんには、「壁に埋まったビールジョッキ」なホールドや、「バナナ」「ニコちゃんマーク風」のホールドなどがあります)

形状を論じ始めるとキリがないので、とりあえず一般的な分類である『持ち方』でのホールドの種類を紹介したいと思います。


持ち方で分類した時の、主なホールドの種類は以下です。

1)ガバ(ジャグ):ガバッと掴めて安定的、どの場面でも頼れる。初心者御用達。
2)インカット:持ちにくいガバ。主に指を引っ掛けて持つ。1)と一緒にされることも。
3)ピンチ:親指とその他の指で挟んで持つタイプ。細長いのが多い。
4)スローパー:つかみ所のない、摩擦力で保持するタイプ。初心者キラー。
5)ポケット:穴があるタイプ。穴には指が1〜数本入る。手がまるまる入るくらい穴が大きいものも。
6)カチ(クリンプ):初心者キラーその2。極薄ホールド。保持が難しいため掴み方がやや特殊。
7)極小、ビス、ジブス:非常に小さいホールド。初心者課題ではまず出てこない。
8)ボリューム:ひと抱えはある大きな大きなホールド。持ち替え等で攻略には数手かかることが多い。
9)ハリボテ:ホールドと言うよりかは壁の一部。この上にさらにホールドがくっついている場合が多い。
10)アンダー:掴むところが下になったホールド。1)や2)を上下逆につけるとこうなる。
11)ガストン、サイドプル:掴むところが横になったホールド。1)や2)を横につけるとこうなる。
12)その他:その他、名称はあるけどあまり一般的に呼ばれないホールド。ノブ、ウェーブ、アーチ、他

上記以外にもいろいろありますが、多くのホールドが大体この11種類(と、その他)に分類できるので、これだけ覚えておけばジムで他の人と
「あのカチ渋い(=持ちにくい)よね〜」
「ガバの所でしっかり腰を移動させてから次のスローパーを処理するといいよ」
とかの話ができるはずです。



では、簡単にそれぞれの説明を。
写真とかは特にないので、イメージ付かなかったら画像をググって下さい@丸投げ


1)ガバ(ジャグ)
とにかく持ちやすいホールドです。
・穴が深い
・指を引っ掛けやすい(ものによっては指の付け根の部分まで入れられる)
等あります。
指を割と奥まで入れる事ができて、ガシッと(またはガバッと)持てます。
なおガバは日本のみの呼び方であり、英語圏ではジャグと言うようです。


2)インカット
ほぼガバですが、穴が浅めで指が第二関節くらいまでしか引っ掛けられないのがこちらになります。
ガバに比べると持ちにくいですが、それでも数あるホールドの中では持ちやすい部類に入ります。
持ち方や形的にはガバとそう変わらないので、人によってはインカットをガバの一種としている場合があります。


3)ピンチ
その名の通り、挟んで持つタイプになります。
細長い形状のホールドが多いため、これでマッチ(両手持ち)してから次に進むような課題は結構あります。
指の保持力よりも割と握力と指の摩擦力が要求されます。幅広で掴みにくい場合はなおさら。
横長タイプと縦長タイプがあります。横長タイプは、4つ指で支えつつ親指で下から挟み込めば安定して持てます。
縦長タイプは、ペットボトルを掴む感じで挟み込むと楽です。

4)スローパー
表面はザラザラしているものの(していないものもあります)、穴とか指を引っ掛ける所はほぼ無し。
初心者は「どうやって持つの!?」と混乱すること請け合い。
ただ、いろいろ触ってみると「あれ?こっちの方向から手を広げて持つと耐えられる」という場所があるはずです。
手のひらと指の摩擦力で耐えるホールドになります。(摩擦力で持つことをパーミングと言うようです)
真ん中の黄緑のホールドと、左上の緑色のホールドがいわゆるスローパーになります。

初心者はスローパーを持つと、なんとか落ちないように体や腕の変な所に力を入れてしまうためパンプしやすくなります。注意。
手のひらに収まる小さいスローパーなら、ラップ持ち(小指を壁、親指を外側に横からホールドを持つやり方)や逆ラップ(親指を壁側、小指が外側)も有効です。
もしもスローパーが汚れていたら、そこは多くの人が触った=持てる確率の高い場所になります。参考に!


5)ポケット
その名の通り、穴の空いたホールドになりますが、そこに指を入れて引っ掛けて持つ形になります。
指は4本から1本まで様々で、当たり前ですが指が入る数が少ないほど難しいです。
(指4本入る場合、親指で穴の外から押さえることでピンチ持ちができます)
指だけで保持することの難しさ、また指パキ(特定の指に荷重がかかり、指の筋を痛めること)の危険性の高さから、
低グレード課題ではまず出てきません。中〜上級者向け。


6)カチ(クリンプ)
みんな大好きカチ。
指の腹だけ引っかかるくらいの厚さのホールドのことを言います。ひどいものだと、クレジットカード数枚の厚さくらいしかないものもあります。
これも、指の腹の摩擦力だけで保持するので、低グレード課題にはまず出てきません(スラブなら初心者でも持てるので出てくるかも?)
ガバッと持つガバと比較して、カッチリ持つからカチ、と言われています。保持のために特殊な持ち方が考案されています(いわゆるカチ持ち)
こいつが初めて出てきたら、とりあえず指をどうやって引っ掛けて固定するかを試してみてください。初見で持てたら才能あります!


7)極小、ビス、ジブス
こちらも低グレード課題にはまず出てきませんが、一言で言うと「すごい小さいホールド」です。
ゴルフボールくらいの大きさはまだマシで、親指の先くらいの大きさから、もっともっと小さい(それこそ、ビスの大きさ=ホールドのような)ものまであります。
持ち方はカチ持ちか、つまむ(ピンチ持ち)かくらいしかないのでまず初心者にはハードルが高いです。
さらに大変なのは足を乗せる場合。うまーくつま先で乗らないとすぐ落ちます。
バランス感覚が重要になるため、足自由課題ならまずこのホールドは選ばない方がいいと思います…と言うか、狙って足を乗せる初心者はいないと思います。


8)ボリューム
でっかいどう!
ビスとは逆に、大きなホールドのことです。大きさは両手程度くらいから大人の身長くらいの大きさまで様々!
非常に大きいので、持ったあとさらに別の場所を持ち替えて移動してから次のホールドに行くとか、
足場にしてその上を歩きながら重心移動するとか、いろいろ課題設定されています。
持ち方も一概に言えず、ある場所はカチ持ち、ある場所はパーミング、ある場所はピンチ持ちで持てる、など
一つのホールドの中でもいろいろな攻略法があるホールドになります。


9)ハリボテ
ボリュームに似ていますが、ホールドと言うよりは壁の一部になっているものが、このハリボテです。
ボリュームはそれ自体がホールドであり、壁に複数のネジで留められていますが、ハリボテはその多くが、上にホールドがくっついています
これがあると、平面的な壁が立体的になり、より攻略が難しくなります。
また、ボリュームはだいたい岩型か曲線的ですが、ハリボテは直線的で幾何学的な型(三角錐とか変則正十二面体とか)なのも特徴です。


上の写真でいくと、左の黒いのが「ボリューム」、右の黒いのが「ハリボテ」の例になります。

ハリボテは、こんな感じで壁の一部として使われることが多いです。また、ホールドが付いてないハリボテもあります(その場合は大概小さめです)


10)アンダー
下から持つぞ!気をつけろ!
…と、アンダーと呼ばれるホールドは下から持つホールドになります。
ちょうどガバホールドを上下逆にしたものになり、指を入れる穴が下側に付いています。
必然的に上に引き上げる形で持つことになるため、腰くらいの位置で上側に引っ張るように持つことになります。


11)ガストン、サイドプル
横から持つぞ!気をつけろ!
と、こちらは横に持つタイプのホールドになります。ガバホールドが横になった感じ。
ガストンは内から外側に持つタイプ(襖を両手で左右に開けるときの、あの手の形で持つ)、
サイドプルは逆に、外から内側に持つタイプ(横開きのドアを開け閉めする時の、あの手の形で持つ)になります。
横から持つので、穴のある方向の逆側にかなり重心をかけないと安定しないです。
ガストンはホールドに寄りかかる感じで、サイドプルは体の方に引っ張る感じに持つと楽に持てます。
詳しくは検索して写真見て下さい;


12)その他
その他としては、以下のものがあります。
ノブ……ドアノブのようなホールド。ガバみたいな持つところはないが、スローパーよりはせり出してるタイプ。ラップ持ち等で持てる。
ウェーブ……波型のホールド。横長(縦長)なので、だいたいピンチ持ちで持てる。
アーチ……アーチ橋やカバンの持ち手みたいな形の、端部二箇所で壁にくっついているホールド。真ん中を握って持てる。



とまぁ、簡単ですがホールドの紹介をしてみました。
ガバ、カチ、スローパー、ピンチ、ポケット、ハリボテはよく出てくるので、とりあえずこれだけ覚えておけば大丈夫かと思います。
ボルダリング ホールド 種類」とかで検索すれば、画像はいっぱい出てきますが、ホールドは本当にいろいろな形があるので…
何回か登ってみれば、どんなホールドがあって、どう持てば楽かってのはだんだんわかってくると思うので、とりあえず深く考えないで登ってみましょう!