誰にも俯瞰できない空に

重たい雲が広がっていく

地面に吸い込まれていくように
雨が急いで窓を通り過ぎる

部屋の中にいる

濡れるのが嫌な訳じゃない


動き出せない旅人たちも

思いがけない病人たちも

窓からこの景色を見ているだろうか

似たようなもどかしさに

押し留められているだろうか


積み上げた時間を

見失ってしまいそうな長雨

空よどうか

姿を見せてくれないか

濁りゆく水面を

照らしてくれないか