十一月の空はきっと

覚えていないだろう

 

燃えさかる太陽を

抱いていたこと

叫び終えた蝉を

羽ばたかせたこと

 

十一月の空はきっと

覚えていないだろう

 

騒がしい台風を

連れてきたこと

あの飛行機を

横切らせたこと

 

十一月の僕はきっと

覚えていないだろう

 

足元に転がる

蝉たちの死を

線香の香りの中で

つぶやいた言葉を

 

そして見上げるだろう

蝉たちの知ることのない

十一月の空を