走る車の窓から

山々が見え

その前に建つ家々が見え

家々の真ん中あたりに

いちょうが立っていた


まるでそこにだけ

光が当たっているかのように

飛びぬけて輝いていた


厚暗い夜の集落を

ずっと灯していたかのような

散り際とは思えない

頼もしい黄金色


その光は

厳しい季節の前の

束の間を照らし

横切る車の窓を照らし

瞳に秋の名残を残す