午後九時

通り過ぎる風が

記憶のひとひらを持ち去って行った


駅前通り

感傷を抱えて歩く

ぶつかりそうな人をかわしながら


どんな馴染みのない場所も

故郷のように思えていたのに

君がいれば


定まりようのない足元で

僕は帰ろうとしている

ただの家に