私は生まれてきた

差し伸べられた手に

飛び込むように

産声を取り囲む微笑みの中に


たくさんの言葉を覚えたけれど

どうやって言葉を覚えてきたのかを

私はちっとも覚えていない


記憶にも残らなかった親切を

伝えきれなかった感謝を

私はいくつも抱えて

大きくなっていく


一人で社会に向き合う時

愛しい人に出逢えた時

私はやっと思い出す


傷ついた時の痛み

支えられた時の嬉し涙

命を教えてくれたのは

いつも命だったこと