僕が歌わなくても

街は歌で溢れている

互いの手のひらを感じあう恋人達の歌

無邪気にサンタに願いを託す子ども達の歌

当選の鐘を響かせる商店街の歌

うっとりとする眩しさに満ちたイルミネーションの歌

何かを分けて欲しくて

僕は立ち並ぶ店の前を

用もないのに通り過ぎる

誰もがみんな

羽根がないのも忘れて

空を飛んでいるみたい

賑やかさの中のふとした静けさ

虚しさの中にも響き渡る鈴の音

心に湧いた小さな灯を連れて

12月はゆるやかに日々を下っていく