保育と教育業界を訴え続けた先には、どのような社会ができあがるでしょうか?

 

 理不尽といいますか、無慈悲な判決といいますか、これから教育業界と保育業界の訴訟リスクを考えていかなければならないです。

 

『千葉県四街道市立の保育所で2017年、おやつのホットドッグを喉に詰まらせ、低酸素性脳症で寝たきりになったとして、当時3歳の男児と両親らが市に慰謝料など約1億2千万円を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は26日、請求を棄却した一審東京地裁判決を取り消し、計約1億800万円の支払いを命じた

事故が起きた17年2月当時、発達の遅れがあったため1歳児クラスだった。』

 

 保育業界にも、ある程度を明るいと思っていますが、知的障害があれど3歳児が1歳児と同じクラスにできることに対して、少し驚きがありました。しかし、その判決内容(裁判長の考え)にはもっと驚きました。

 

『22年10月の一審判決は他の食材や献立と比べて危険性は高くないなどとして請求を退けたが、高裁の永谷典雄裁判長は「男児は知的障害もあって食べ物をよくかまないでのみ込もうとすることがあり、保育士もそれを認識していた」と指摘。

「かむ力が十分でない男児にウインナーの皮を取るなどの配慮をせず、注意義務に背き違法」と判断した。判決によると、ホットドッグは保育士がちぎって食べさせていた。4口目を口に含んだ後、男児が苦しそうにしたため、救急車を呼んだが約22分間心肺停止となった。』

 

 教育の現場同様、保育の現場も日々非常に目が回る忙しさです。

 噛みつきや連絡帳、日誌、行事、飾りつけ…それに加えて、1歳児クラスは手もかかるし、目も離せない…のに、通常保育園に【医療的ケア児】までちゃんと管理しなければならないって…無茶ぶりにもほどがあると思います。

 

 親も保育園に丸投げしすぎではとすら思います。

 

 2016年にあった「人工呼吸器をつけて学校へ」、2020年の「たん吸引機設置と水泳不可、校外学習で保護者の付き添いを求めるな」でも思いましたが、しっかり嚥下できない、日常生活に医療行為が必要な場合、療育型の保育施設を使うべきだと考えています。

 

 わが子の命より親の面目とか、社会的な目とかの方が、大切ですか?

 

 本案件では低酸素性脳症で寝たきりになったそうで、このような痛ましい事故を防ぐために、専門的な知識のある療育専門員や医師・看護師が、医療器具・設備が必要なんです。それを、通常の保育園に求めるのは…。

 真面目に子どもの面倒を看ていて、フッと目を離した瞬間…その瞬間で人殺しになってしまう保育士をこれ以上出してはいけないんです。

 

 保育士は【保育のプロ】であり、医療のプロではないです。

 

 この判決を観て、保育士志望する若者は、どう感じるのでしょうね。ただでさえ、大変なのに、専門分野でもない、善意でしたことが、一つのミスで自分が訴えられたり捕まったりするかもしれない。これってすごいリスクですよね。

 

 こういった判決が、訴訟が続いていくと、どうなるのでしょうか?

 少しでも発達の遅れがある子ども訴訟リスクのある子ども手のかかる子ども受け入れなくなってしまう【選考落ち】でしょう。だって、そんな命に係る重大な責任なんて、保育や教育の現場は取れないわけで絶対に!

 もしくは、私は加入していましたが、教育現場同様に保育士や幼稚園教諭も、訴訟保険に加入しなければならない時代がくるでしょう

 

 どちらにせよ、保育所に責任を取らせるのは厳しすぎると思います。
 現場はますます疲弊するし、受け入れる園もなくなっていく…すべてが悪循環です。

 

 これ以上現場にいろんな責任を押しつけないでほしい

 

 そろそろ何でもかんでも現場の責任を押し付けるの、

もう止めにしませんか?


東尋坊

 

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