大阪万博の学校単位での招待する事業ですが、現段階では狂気の沙汰としか思えませんが、それに参加希望7割(本気か知りませんが…)というのも同様に狂気的な考えといいますか、判断としか思えません。

 

 過去、30~100人の子どもを引率していた人間の視点で、現状の不安材料と挙げていきます。

 

 ①現時点で、下見ができないこと

 遠足や校外学習を実施する日にもよりますが、長期休暇(多くは夏休みや春休み)に下見をします。どういった経路で行くか、どこのバス会社にするか、どこで集合・点呼・トイレ休憩・昼食をするのか、しおりや安全計画(引率者指導計画)、トラブルシューティングなど、当日で起きうるアクシデントを考えます。

 現段階では、下見すらできるか分からない。だから、行程なんて決められない。そもそも救護室(センター?)があるのかすら分からんのですから、安全計画や遠足・校外学習計画なんてものできるわけがない。

 この状況で、リスクマネジメントもトラブルシューティングもできない状態で、一体どんな責任を背負って引率しなければならないんですかね。

 

 ②時期・緊急体制に関すること

 夏季であれば熱中症対策、冬季であれば降雪や転倒によるケガが考えられます。当該万博の開催期間は4~10月なので、冬季リスクは除外して、夏季リスクを想定しなければなりません。特に、熱中症は重篤であれば「生命の危機」「脳への障害(過去重度障害になった事案がありました)」につながります。

 スーパー炎天下かつ雑多な中での活動ですから、体調不良になる児童が複数人出ることは簡単に予見できるといいますか、絶対出ます。大人ですらしんどいのに、小学生、特に低学年の児童なら、尚のことです。この場合、救護室もしくは救護センターの有無だけでなく、救急医療体制の有無が重要で、招待するからにはそれらを完璧にまで完備しなければならないとすら考えています。

 そして、救急搬送を遅滞なく実施すること。これがセットでないと、引率者は怖くて怖くて引率できませんよ。大切な学級の児童生徒であり、親から預かった大切な子どもの命ですから、「想定外でした」などという軽々な言葉では済まされないのです。即訴訟・即解雇もありますが、やはり「自分のせいで」と責めたり、「なぜ行かせた」と罪悪感・後悔の念が押し寄せたりするわけで。真面目な教員であればあるほどに…。

 

 ③交通に関すること

 上記の理由と被るところも多分にありますが、ピストン方式で実施するのか、公共交通機関を利用するのか、はたまた貸切にするのかによって、大きく対応が変わってきます。第一、県外や国外など一般客だけでも万博周辺はごった返してしまうでしょうに、そこに学校関連のバスの往来が追加されたのならば、交通渋滞や全く動かない長蛇の列が発生するでしょう。

 もし、そうなれば、万博内での緊急対応にも影響が出ます(もちろん、一般の人にも)。

 

 以上、3点です(細かいものを合わせていくと、もっとありますが…)

 

 正直なところ、万博までの行程は学校や教員が、万博内での事象は協会・行政が全責任を負うのであればいいですが、全てのリスクも責任も、教育現場に丸投げしておいて、参加強制であれば、絶対に受け入れてはいけない。

 現在、7割の学校は参加を希望して、教職員組合のみが反対…。管理職の方々には、もう少し冷静に考えて、教育者として、命を預かっている人間として、熟考に熟考を重ね、教師の矜持をもって、アンケートに回答してほしかったものです。

 「ただ『お上』に言われたから…」「慣例だから…」だなんて、聞き飽きました。時には反対もしなければならんのです。

 

 コロナ禍であっても、複数校を集め、船での校外学習を強制した県教育委員会と県知事がいました。当時、特に大きな感染を引き起こさなかったからいいものの、その責任の所在を明確にせず、現場に丸投げ。下っ端がいくら反対しても意味がなかったのは実感しています。だからこそ、今後管理職は、校長会は、言いなりではならんのです。

 何があったら引率した教員の責任にされるのなら、絶対に行ってはならんのです

 

 そうしても、大阪万博に行きたければ、各家庭で親の責任の下で、ご自由にどうぞでいいんです。どうしても、学校を関わらせたかったら、無料チケットを配布させておけばいいんです。

 

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ウォーターサーバー Frecious(フレシャス)