例えばJ-Popに関して言えば、
好きな曲があり、良い歌手もいる。
音楽関連の会社も頑張っている。
しかし、なかなか響いて来ないし、
たまに響く曲があっても大きな拡がりにならず、
曲自体が短命に終わってしまう。
よって長く歌い継がれる歌がなかなか生まれない。
長く好まれる歌は、歌自体が魅力的なのは当然だとして、
いくつかの世代に亘って通用する、
共通言語になる事も不可欠な要素だと思うが、
そのような現象が起きなくなって久しい。
趣味嗜好の細分化に伴い、
プロモーションもその嗜好に特化したものになって行った。
その狙いが的中すれば、それなりに売れるが、
当を得れば得るほど、嗜好の違う人達には受け容れられ難くなる。
当然、歌が独り歩きをする事も少なくなり、
相乗効果も生まれない。
それらは、如何ともし難い宿命であり、流れであるからして、
解決出来ないようにも見えるが、果たしてそうだろうか?
細分化した嗜好に特化出来る能力があれば、
嗜好の細分化を緩和しつつ結果を出す方法もみつけられる筈である。
J-Popに限らず、世代を超えてインパクトを与えられるものを、
ひとつ生み出せたら、音楽の状況も劇的に変わると思う。
ただ、現在は音楽の業界に関わっていないので、
答えを持ち合わせていないし、ここで結論的な事は言えない。
それはあらゆる方法を実践して行く中で、
半ば偶然的に起こる事でもあると思うからだ。
それと、音楽が低迷しているいくつかの要因のひとつとして、
不安定過ぎる社会状況が影響している事も見逃せない。
今の社会には、原因が特定出来ない不安要因が多くある。
反面、とりあえず安心して暮らせている現実もあるが、
それがいつまでも続くという保証はない。
なんとなく幸せで、なんとも知れず不安。
世の中全体にそんな空気が広く静かに漂っているとすれば、
音楽に浸る気持ちの余裕も持てなくなる。
良し悪しは別にして、音楽が華やかだった時代は、
今と比べられないほど多くの人を、音楽にのめり込ませ、
熱狂させるだけの大きな力を持っていた。
振り帰れば、当時は飢餓感と同時に未来への希望が背景にあったような気がする。
現在のように、なんとなく幸せで、なんとも知れず不安な時代とは、
明らかに違っていたのは確かだろう。
なんとなく幸せで、なんとも知れず不安な時代。
そんな時代にフィットするのものは何だろう?
音楽ではないのかも知れない?
なにも無いのかも知れない?
私は、芸術が生まれ難い今の状況に変化が起きる事を願いつつ、
なんとも知れない不安の正体を、自分なりに解き明かしてみたいと思う。
なんとなく幸せなのは良いのだが、
なんとも知れない不安は、非常に困るのであります。