夜雨の奏でる暗くて繊細な
音調に引き込まれて眠って
しまったみたい
ぼんやりとした夢の中でも
クラシックの演奏後の
拍手のような雨音で
僕の誕生日を包んでくれた
テーブルの上に薄い白い紙を置いて
白いペンで横一直線に線を引いていく
ときどき揺れ曲がって凸凹な
線になるけれどインクがかすれて
消えてしまうまで僕は引いていく
ある年齢を超えると時間は
過ぎるのではなく消えていく
人前で泣けないのは
泣きながら狂って
死んでいったあいつのせい
誰かのために生きることなんて
今でも恥ずかしいけれど
雨の煙の中で
生きる言い訳を君も探している