ずっと読みたかったんだが、おもしろいな、この本は。

2009年10月初版なので、リーマンショックを受けて書かれた本。

けっこうなつかしい。耐震偽装事件とか。姉歯。この当時はお受験で、ずっとうちにいたので、見たよ、国会中継とか。

ヒューザーのこじましゃちょー、完全に悪者にされてたな。

 

第1章 格差の正体

トレードオフを否定する人々

自然科学者にも、自分の専門分野が絶対的に重要だと主張する人が多い。たとえば多くの地球科学の専門家が連名で書いた「地球温暖化問題懐疑論へのコメント」という論文は、グローバルな課題について世界の科学者や経済学者が集まって行われた「コペンハーゲン・コンセンサス」で、気候変動の優先順位が高く評価されず、感染症や貧困の問題のほうが緊急性が高いという結論が出たことを次のように批判する:

 「貧困問題か気候変動か」という問題設定は、言い換えれば「人間にとって水と食べ物はどちらが大事か」という無意味な問いに似ているように思われる。言うまでもなく、多くの食べ物は水分を含んでおり、答えは「両方とも非常に大事」でしかありえない。そして、実際に私たちがとる行動は、(自分たちの遊興費などを切りつめるなどして)なんとか両方のためにお金を用意するものだと思う。

 

す、すばらしい。。。

目先の困難と、何年も何十年、何百年もさき(かどうかもわからない)のことを、同じ土俵で考えなさい、という専門家の先生方という人種は。。。

飯のねたがかかってるんだから仕方ないか。

専門家の先生方のいうことは、レントがかかってるから注意しないとね。

正規社員やコロナやなにやら、かにやら。。。

第Ⅲ部 WGIPの後遺症

第8章 原爆報道に見る自虐性

(WGIPにより日本人が原爆の被害を自虐的にしか見られないようになった、との前振りの後にアメリカは、という文脈で)

アメリカの博物館はどうか

と題して、B29の展示と日本の民間被害の併設を検討したが、退役軍人からの抗議で民間被害はお蔵入りに。

それ自体はどうということもない。当たり前だろう。

 

ABCが原爆投下正当論を否定

と題して、原爆投下に批判的な番組を歴史的事実として放送したことを紹介。

ちなみに、終戦の年のギャラップ世論調査では、原爆投下を正当だと答えるアメリカ人は85パーセントいました。

99年のデトロイト・フリープレスの調査では63パーセント、2015年のピュー・リサーチの調査では、56パーセントまで落ちています。

 

とあるんだが、時間とともに、一般人にも情報が広がり、浸透していくのだから、かたよった考えは、だんだん中道化していくのは、これにかぎらず、普通だと思う。著者は、パーセンテージを挙げて具体的、客観的説明を試みているのだろうが、調査主体や調査の全体的な内容がわからないので、数字で挙げられているほど低下インパクトがあったのか、いやいや逆にもっと低下しているのか、はよくわからない、と言え、数字を挙げるのが妥当なのかしら、とは思う。

ここまでの議論で、客観的に丁寧に論証されていてたので、少々がっかりする。

 

その後、NHKの放送態度のことなどが提示され、激しく批判しています。

たしかにひどい、NHKは。

しかし、本来NHKは、反米なのではないかしら?原爆の問題では、アメリカの味方?

自虐史観のひとびとは、反米と反旧軍(?)が同居してるのかしら?反旧軍、というのは、「平和主義」というやつですね、きっと。つまり、「平和主義」は、反米にも勝つ、というですね。ひとつ勉強になった。

第2章 古代から日本人は「平和ボケ」

・・・

①『石で一回殴ると、相手が死ぬから終わりだ』

 

②『相互に依存し合って長期的な関係を築くと、長い目で見れば双方が得をするから』

 

②のつもりで付き合っていたが、①でやられた、まさに今の欧州とロシアですな。

 

①が人類の歴史に忠実。したがって、プーは、歴史に忠実。

②を誘引して、人類の歴史にしたがう行動をとるとは、プーもなかなかやるもんだ。

トッドの家族類型

親子関係の強弱(強:権威主義的、弱:非権威主義)、

兄弟間の平等性の強弱(遺産相続で平等か否か)で分類

 

①絶対核家族「イングランド・アメリカ型」

→非権威主義的な親子関係、子は別居して独立(教育不熱心、識字率低、ただし女性識字率高)

 兄弟間は不平等

 

②直系家族「ドイツ・日本型」

→権威主義的な親子関係、子は親と同居、長男に相続(兄弟間不平等)

 長男の嫁の識字率高、教育熱心

 

③平等主義核家族「フランス・スペイン型」

→非権威主義的な親子関係、子は別居して独立(教育不熱心、識字率低、女性の地位低)

 兄弟間は平等

 

④外婚制共同体家族「中国・ロシア型」

→父親の権威高、大家族、子は同居、兄弟平等に相続、女性地位・識字率低

(→共産主義国家)