「訂正する力」が目指す世界とは? | 我が学習の変遷の記録(旧・宇宙わくわく共創局)

「訂正する力」が目指す世界とは?

「訂正する力」では平和を(政治の外側にある)喧騒と捉え、訂正の力によって未来に進む幻想をつくる。


そこだけ切り取るとかなり誤解を招くが本書を熟読すると、そこに様々な対立で硬直している現代を前に進める確かな可能性を感じる。


つまり、そこでは、政治の本質を友と味方の対立と捉えており、その対立軸では、ますます時代が硬直し、平和に向けて前進することができないと考えている。しかし、そうした政治的な対立とは、無関係なところで、精力的に展開しているサブカルチャーや伝統、文化等の「喧騒」は、私たちに活力を与えてくれるだけでなく、民主主義を支える土台になると言う。


「それもわかるが、もっと歴史の本質を見出して、それをもとにして、未来を展望すべきじゃないか、改」と言う意見も聞こえてきそうだが、実は誰にも歴史そのものを100%の客観性を持って理解することは、永遠に原理的にできないのだ。


原理的に人間は物自体に到達できないので、訂正していくしかないのだ。



野中恒宏