交換の論理は悪か?
「世界は贈与でできている」の中で、効果の論理と贈与の論理が紹介されている。
この中で交換の原理は資本主義社会に基づいた原理である。全てを等価交換で考える前提がそこにある。この論理の中では人間を手段として見るため、信頼関係を築けないと指摘されている。
一方で贈与の論理では見返りを求めない考え方が前提となり、相手を手段として見ないので、信頼関係を築けるとしている。
つまり、交換の論理が悪者扱いされている。
しかし、ほんとにそうだろうか。相手から与えられた感じで、それについて何かをお返しするということはそんなに悪いことだろうか。逆に相手から何かを渡されて、それに対してお返しをすることによって信頼関係が気づけたり、信頼関係が深まったりすることもあるのではないだろうか
このように考えていくと、例え本と言う形で出版されていたとしても、それが必ずしも全てに当てがあるわけではないと言うことが見えてくる。
野中恒宏