エラベルメソッド5 - 選べることを忘れていませんか | 我が学習の変遷の記録(旧・宇宙わくわく共創局)

エラベルメソッド5 - 選べることを忘れていませんか



実は、私たちの多くは選べると言うことを忘れているのではないか。そんなことをふと思いました。

今オーストラリアの学校は夏休みなのですが、子供たちの多くはスポーツをしたり、ゲームをしたり、ビデオを見たりして楽しんでいます。しかし、一旦そうした自分の好きなことに集中してしまうと、他のことを選べると言うことを忘れてしまい、他の人から見たら「中毒」と言う言葉が使えるレベルののめり込むようになってしまうことがあります。

もちろん、自分の好きなことに打ち込む事は自分の能力を伸ばし、成長する上で欠かせないことです。しかし、だからといってそれだけに打ち込んでいるのは、自分の可能性を縮小することでもあるのです。

人生の最後の段階で、何を後悔すると言ったら、自分のやったことよりも自分がやらなかったことに後悔することが多いようです。

1つのことをやり続けてきた結果、どれだけ多くのことをやらなかったのでしょうか。

「そうはいっても、私の能力からすると、できる事はこれだけだし、他のことはできない」と言う声も聞こえてきそうですが、それは本当にそうでしょうか。

そこには、「固定マインドセット」が横たわっているのではないでしょうか。すなわち、固定マインドセットとは、人や環境のせいにして、自分の成長の可能性を脇に置いてしまうマインドセットです。このマインドセットになると、与えられた枠組みの中で自分を限定して、その中で人から承認されたり、よく見られたりすることに関心が行きがちになります。

しかし一方で、成長マインドセット(しなやかマインドセット)は、周囲の人や環境のせいにしないで、人生は自分で創り出すものであると言う原則に基づいて、主体的に行動して、これまでの殻を打ち破って、どんどん成長していこうとするマインドセットです。そこでは、これまでできなかったことがやらなかったことにも関心が広がり、それを取り入れながら、創造的に人生を構築していくのです。

世界的な名著「7つの習慣」の中で、刺激と反応の間に「スペース」があることを忘れてはいけないと言うことが強調されています。すなわち、動物は、外側から何か刺激があると、一直線にそれに対して即座に反応する習性があります。しかし、人間はネガティヴな刺激があったとしても、心の中にスペースがあるので、どのような行動を取るかは自分で選択することができるのです。

しかし、固定的なマインドセットを持っていると、外側からのネガティヴな刺激があると、まるで動物のように反応的になり、外側からの刺激をネガティブとだけ捉え、それを自分の行動の限定に結びつけ、より新しいことをしなくなるのです。誠にもったいないことです。

一方で成長的なマインドセットを持っていると、外側からのネガティヴな刺激があっても、その刺激の持っている総合的な意味を理解し、そのネガティヴ刺激によってもたらされるメリットを理解し、その刺激が試練であったとしても、同時にもたらされているサポートも認識し、それを生きる燃料にして再び前向きに生きる、そして成長することができます。

つまり、私たちは選べるわけですが、固定マインドセットを持っていると、心の中に「スペース」があることを忘れ、行動を選べることができなくなり、一方で、成長マインドセットを持つと、心の中のスペースを最大限に使って、行動を選ぶことができるようになるのです。

この記事を読むことを選んでくださったあなたに心から感謝を申し上げます。これが、あなたがさらに人生を豊かにする選択肢を選ぶ第一歩になることを心より願っております。

成長マインドセットを持ったあなたへ
オーストラリアより愛と感謝を込めて
野中恒宏