不倫を知らないふりんしないように | 我が学習の変遷の記録(旧・宇宙わくわく共創局)

不倫を知らないふりんしないように




日本で芸能人の不倫騒動が報道されるたびに、私が確認できる事は、日本ではよほど多くの人たちが不倫願望を持っていると言うことであったり、すでに何らかの形で多くの方々が不倫をしていると言うことであります。

つまり、どういうことかと言うと、私たちが他者に対して感じている事は、実は形を変えて私たちも感じたいと思っているか、あるいは既に体験しているかのいずれかであると言うことです。

簡単に言えば、私たちはお互いに鏡であり、同じことをしているだけなのです。ただ形が違うだけ。

にもかかわらず、バッシングみたいのが強くなればなるほど、私たちはいかなる形の「不倫」もいけないこととして、自分の心の奥に押し込めようとする傾向が出てくるんだと思います。そして、それが自分にとってのシャドウになったり無意識のモンスターになったりしたりするのでしょう。

一方で、そうした不倫みたいな事はいけないと思っているので、絶対に不倫しない真面目なペルソナを作り出し、それが本当の自分だと思い込んでいる人が増えていくのでしょう。

つまり、自分の中で影の部分と、ペルソナの部分がどんどん分裂していくので、1人の人間の中に2人の人間が存在するようになり、ますますその分裂状態が苦しくなり、やがてそれが弾けたりすることになるのでしょう。

天下司郎さんによると、こうした状況を抜け出すためには、「実存的変容」とも言うべき、本質的な成長というか、意識の進化が必要になってくるわけですが、忙しく騒々しい毎日の生活の中では、このように真剣に自分に向き合って「実存的変容」を体験する事は本当に難しくなっているようです。

もちろん、時代的に、二元論がどんどん克服され、どんどん1つになっていく側面も見えますので、こうしたシャドウとペルソナの分離は少しずつですが、統合されていく方向に動いているのかもしれません。

しかし、今回の芸能人の不倫騒動についての様々なコメントを目にすると、やはりまだまだ「実存的変容」は遠いなぁと思わざるを得ないわけです。もちろんこう言っている私自身も「実存的変容」はまだまだだと思いますが、ですが、少なくとも今起きている事については一定の見解を持つことができるようになりました。

何かの参考になれば幸いです。

オーストラリアより愛と感謝を込めて。
野中恒宏