理想のパートナーを見つける時の落とし穴 | 我が学習の変遷の記録(旧・宇宙わくわく共創局)

理想のパートナーを見つける時の落とし穴

私たちは、人生の中で様々な形でパートナーを必要としています。例えば私の日々の授業の中では、会話の練習をする時などに、パートナーを見つけて練習してもらったりしています。あるいはビジネスの世界においても、ビジネスパートナーと言うのは個人レベル、組織レベルでも重要な考え方でしょう。そして、恋愛の文脈においても、パートナーの存在はもちろん重要なことです。

いかなる形のパートナーであっても、パートナーをいかに見つけるかということが重要な点になってくると思います。

そこで、多くの人が取る方法は、可能な限り共通点を見出そうと言うことです。つまり、相手との共通点が多ければ多いほど、お互いに良いパートナーになれる可能性が高まるという考え方がその背景にあると思います。

しかし、そこにいくつかの落とし穴があります。いくら共通項を多く発見したと思っても、それが必ずしも良いパートナーであることを証明するものではないと言うことです。

第一に、相手が仮に何かが大好きで、自分もそれが大好きだと思ったとしても、それは本当に相手がそのことを好きかどうかはわからないと言うことです。ひょっとしてそれは、相手に気にいられるために、わざと好きでもないことを好きだと言ってる可能性がありますし、人の目や世間体を気にして、あえてあまり好きでもないのに好きだと言っているかもしれません。

人間が、あることを好きかどうかを示す指標としては、行動に注目する必要があると思います。特に日常の習慣となっている行動の中に、その人の本当に好きなことが現れやすいからです。本当に好きなことであれば、毎日習慣のように、そのことを頻繁にしているはずです。

第二に、パートナーを見つける際に陥りやすい落とし穴としては、相手が心から何に興味を持っているかが明らかになった場合に、自分も心から同じことに興味があると思ったとしても、必ずしもそれは相手が自分にピッタリの相手だとは限らないということです。

どういうことかというと、例えば、相手が映画が好きだとしても、それは必ずしもあなたと一緒に見に行きたいかということにはならないわけです。確かに、何が好きだと言えば映画でしょう。同じジャンルの、同じ監督の映画がお互いに好きかもしれません。しかし、どのように映画を楽しみたいかという点に関しては、必ずしも一致するとは限らないわけです。ひょっとしたら、その人は映画を自分1人で楽しみたいと思っている人かもしれませんし、あるいは映画館ではなく、自分の自室でインターネットや、DVDで見るのが好きな人かもしれません。

このように、相手が何が好きであるかということが明らかになっても、どのようにそのことを楽しみたいかということに関しては必ずしも一致しない可能性があるということです。

私たちは、相手との関係性を構築する際に、相手が何が好きかということに焦点を当てがちですが、一方で、それをどのように楽しみたいかと言うことに関してはあまり考えたりしない傾向があるのではないでしょうか。やはり、相手とより良い関係を構築していくためには、相手が何が好きかの優先順位を明確にすると同時に、相手がどのようにそのことを楽しむかという優先順位を明確にすることも重要だと思います。

第3に、パートナーを見つける際に陥りやすい事は、相手との共通点が多ければ多いほど関係が良くなるという考え方です。

これまで述べてきたように、相手が人の目を気にしないで、自分の本当に好きなことをあなたに打ち明け、あなたもそれが本当に心から好きだとしても、あるいは、相手が何をどのように楽しむことを重視してるのかということが明確になったとしても、それが必ずしも2人の関係性を確約するものにはならないと言うことです。もちろん、共通点が多ければ多いほど、会話も弾むでしょうし、楽しい時間を過ごせる可能性も高まるでしょう。しかし、長いスパンでの関係性を構築しようとする場合、私たちは、一人一人は違った優先順位を持って生きていると言う事実に向き合わざるをえません。長い間付き合っていると、必ずお互いの違う点が目につくようになります。

つまり、共通点を見出す事は、短い期間の関係性を楽しむ際には、有効な考え方でしょうが、長い期間の関係性を構築していきたい場合には、あまり有効な手段とは言えないと思います。

ポイントは、お互いに異なった価値観を、いかにリンクできるかだと思います。具体的に言えば、相手の優先順位の高いことで自分があまり好きでないことであっても、それが自分の優先順位の高いことにどのようなメリットをもたらすのかということをできるだけ多く発見していくことです。

一方で、相手にとっても、自分の優先順位の高いことが、相手の優先順位の高いことにどのようなメリットもたらすのかということをできるだけ多く発見してもらうことも重要だと思います。

そして、お互いの価値観を結びつける場合に、重要なのは、先ほども来てきたように、その人が何が好きかということだけでなく、その人がそれをどのように楽しむかということに関しても、お互いの価値観を結びつける必要があるということです。先程の例で言えば、もしあなたのパートナーが映画を1人で楽しむことを本当に望んでいるのであれば、その楽しみ方が自分の最優先事項にどのようなメリットをもたらすのかということをできるだけ多く発見することが重要になってくると思います。

このように、お互いに何が好きか、それをどのように楽しみたいかと言う2つの優先順位をお互いにリンクさせる事は、恋愛においても、学習においても、ビジネスにおいても、重要な視点になってくると思います。

何かの参考になれば幸いです。

{160AC489-D002-4550-A635-8B634B55211A}

今日も読んでいただいて、ありがとうございました。

オーストラリアより愛と感謝を込めて。
野中恒宏