「 超ひも理論」とは(12)

 

 

天上界のアインシュタインの「つぶやき」3

 

 

原子はなぜつぶれないのか。

 

 

 

 天上界のアインシュタインはつぶやく。

 

 原子が、なぜつぶれないのか。

最も大事なことだから、ここで考えてみよう。

 

 結論から言うと、原子を構成する素粒子(電子、クオーク)に「電荷」というものが、「本来的に」具備されているからだ。

 

「本来的に」と言う意味は、ビッグバンによって、現宇宙が「始まった時」から、と言う意味であり、宇宙自身が始めから「素粒子」に与えたものだ。

 

 だから、人間の技術によって「電荷」そのものを作り出すことはできない、ということだ。

 

 その素粒子のもつ「電荷」の特徴は、「光子」を「放出」し、かつ「吸収」する能力をもっていることだ。

 

 この「光子」が、「電子」と「陽子」の間で「交換」(放出と吸収)されることにより、「電磁気力」が作られ、「原子」が作られ、「物質」が出来、RNA、タンパク質、DNA、が作られ、地球に「生命」が生まれ、77億人の人間(ホモ・サピエンス)が生きている訳だ。

 

 だから、もし宇宙に、そもそも「電荷」というものが存在していないと、原子、物質、生命、人間は生まれていないことになる。

 

 前にも言ったが、人間の力では、この「電荷」そのものは作れないんじゃ。

 

 宇宙に「4大保存則」というものがあるが、「電荷の保存則」は、その1つだ。(他の3つは、「エネルギー」の保存則、「運動量」の保存則、「角運動量」の保存則である)。

 

 ではなぜ宇宙に、生命を生み出すほどの「不思議な力」を持った「電荷」というものが、生まれたのだろうか。

 

 その理由は、わしにも、物理学者の誰にも分からない。

 

 ビッグバンによって「素粒子」が作られ、「原子」が生まれたときから、そう決められている訳じゃよ。  

 

「決められた」と言うことは、「発信者」がいることだと、わしは思っている。

 

 では、誰が決めたのか。

そこで登場するのが、「宇宙の神」と言う概念だ。

 

 現在の地球には人間が考えた「宗教上の神」なるものがあるが、わしが考える「宇宙の神」とは、それとは全く違うものだ。宇宙の「意志」であり、宇宙の「原理」というものだ。

 

「光速c」が、なぜ「絶対性」「不変性」を持っているのか。そして、光速c、プランク定数h、電気素量e、重力定数Gなどの絶対的「決まり」が、なぜ宇宙に存在するのか。

 

 こういう「答えのない」ことに関して、どう考えるかは、人それぞれだが、わしはそのことに「宇宙の意志」というものを感じるんじゃ。

 

 その「宇宙の意志」のことを、わしは「宇宙の神」と呼んでいる。

 

 そこに宇宙の神秘なるロマンが生まれ、そのロマンが、宇宙の秘密を解く「原動力」となる。わしはそう思っている。

 

 さて、その「電荷」を持った「電子」は、同時に「磁気力」と「スピン」も持っている。

 

 その「磁気力」を持った電子が「スピン」(自転)すると、半永久的な「電磁力」が作られるのだ。

 

 このようなミクロ世界の「電子」の仕組みは、イギリスの天才・ポール・ディラックが「相対論」と「量子論」の2つを「融合」させて、数式で解明したものだ。

 

(1928年のディラック方程式という。1933年にノーベル物理学賞を受賞)

 

 もともとマクロ世界においては、「永久棒磁石」をコイルの中で「出し入れ」すると、コイルに「電流」が誘導されることは、1831年にファラデーが発見していた。(電磁誘導の法則という)。

 

 ミクロ世界の「電子」の仕組みも、電子の持つ「永久磁石性」と「自転性=スピン」が生み出していた訳だ。

 

 そのファラデーが発見した「電磁誘導の法則」を、マクスウエルは、4つの「マクスウエル方程式」の1つとして、1864年に「数式」として完成させた。

 

この「マクスウエル方程式」によって、「電磁気学」が完成したのだ。

 

 同時に、その4つの「マクスウエル方程式」から導かれた「光」の速度が、「電磁波」の速度と「同じ」、であることも解明された。

 

「数式」によって導かれた「光速c」の「特殊性」を、マクスウエル自身は気付かなかったが、わしは、その「光速cの特殊性」を、宇宙の「不変性」として見抜き、「光速度不変の原理」として位置づけ、「特殊相対性理論」として構築し、完成させた。

 

 

 

「相反する2つ」のエネルギーが、原子の「安定性」と「永続性」を作っている!

 

 

 

 この「電磁力」は、「位置エネルギー」と「運動エネルギ-」という「相反する2つ」に分類される。

 

 しかも両者は、逆の関係にある。

 

 逆の関係とは、位置エネルギーが「最大」になれば、運動エネルギーが「最小」になり、逆に運動エネルギーが、「最大」になると、位置エネルギーが「最小」になるという関係だ。

 

 このような逆関係が、永遠に続く。

つまり、2種類の相反する「位置」と「運動」エネルギーの「最大」と「最小」という逆関係が、永遠に続くわけじゃ。

 

 だから、原子はつぶれない、ということになる。

この世に物質や生命が存在できるのも、原子のもっているこの「安定性」と「永続性」のおかげと言える。

 

 そういう仕組みが、原子には「本来的に」与えられているということだ。

 

 次回へ。