小噺シリーズ(8)
塩谷信男医学博士の小噺
2024年5月16日
塩谷信男(しおやのぶお)医学博士(1902~2008年)の小噺です。106歳の天寿を全うした方です。
90代の時に『自在力』1巻・2巻を出版し、100歳の時に『100歳だからこそ伝えたいこと』と言う本を出版されています。
24歳で東京帝国大学医学部を卒業し、京城帝国大学助教授を経て、29才で渋谷に内科医院を開業しています。
同時に「生命線療法」という手で氣を送る気功療法を始めます。当時は満州事変が勃発した年で、大不況の最中。にもかかわらず医院を成功させ、84歳まで現役医師を続けられ、106歳という天寿を全うされました。
30代のときに結核(非伝染性)を患いますが、病院へも行かず、仕事を続けながら自力で治しています。
40代の時に、1歳の息子を亡くしたことから、医師の立場でありながら、心霊研究を8年間も続け、「あの世」の存在を確信します。
80代半ばの頃、白内障と前立腺肥大症にかかりますが、これも医者の手術を受けずに、自分で作った「呼吸法」と「想念法」のみで治しています。
ゴルフが大好きで、65歳でシングルプレーヤーとなります。70歳のときに、グランドシニアの部で優勝。
高齢者の夢であるエイジシュート(自身の年齢以下の打数で、1ラウンド(18ホール)を回るという極めて難しいプレー)を、87歳、90歳、94歳という高齢で、3度も達成しています。
強く願えば、物事は必ず叶う!
「強く願えば、物事は必ず叶う」と言うのが塩谷信男さんの信念でした。医院を開業した昭和初期は大不況の真っ最中で、当時は今のような健康保険の制度もなく、医療費は患者の全額自己負担だった。
そのせいもあり、不況のあおりを食らって、同業者はどこも閑古鳥が鳴くありさま。にもかかわらず塩谷信男医師は、「呼吸法」と「想念の力」を駆使し、医院を繁盛成功させています。
医院が暇になると、1人静かに椅子に座って「待合室が患者で一杯になった」とイメージしながら、ひたすら祈っていきます。
医師でありながら「想念の力」「人間の無限力」を心から強く信じて、しかもその成果を実現しためずらしい医学博士でした。
その塩谷医師が長年の研究で、60歳の時に完成させた「正心調息法」(せいしんちょうそくほう)を、ここでご紹介したいと思います。
「正心調息法」のやり方は、以下のとおりです。
鈴の印(両手の手のひらで丸い玉やゴムまりを包み込むように組む)を作りながら、
(1)息を吸い込む。
(2)3秒~5秒間、軽く息を止める。力を入れないこと。
この時、下腹部の臍下丹田(せいかたんでん)に、
意識 を持っていく。
(3)息をゆっくり吐き出す。鼻または口から、出来るだけ
長 く。
(4)以上を25回、繰り返す。
(5)最後に、10回、普通の呼吸を行う。
このとき目標、願望の具体的な「想念」をし、イメージングを行う。さらに体内の老廃物が吐き出された、全身
がきれいになった、芯から若返った、と念じる。
以上が「正心調息法」ですが、塩谷式の「正心調息法」
の特徴は、さらに心の正しい使い方として、日常において次の3つの精神を保つよう努力することが、大切だということです。
(1) 物事をすべて前向きに考える。
(2) 感謝の心を忘れない。
(3) 愚痴をこぼさない。
(以上、塩谷信男著『自在力1,2』サンマーク出版、
『100歳だからこそ伝えたいこと』を参考)。
呼吸法がなぜ大事でしょうか。
私達の血管と内臓をコントロールしているのが「自律神経」というものです。この自律神経は、運動神経とは違い、自分の意志では原則としてコントロール出来ません。
嫌なこと、心配なこと、などのストレスなどがあると、この自律神経が乱れてきます。すると体の痛みや不調が出てきます。それがさらに続くと慢性病などに進行していきます。
しかし、このコントロールできないはずの自律神経も、呼吸法を介在させることによって、間接的にコントロール可能となるのです。
そして呼吸法は、自分の意志で「訓練」することが可能です。ここに呼吸法が、古来から修行法の1つとして、座禅や瞑想、ヨガなどと結びついた理由があります。
継続することが大事となります。