「神の原理」とは(7)

 

  2022年1月30日

 

 

ロバートソンの不等式」とは

 

 

繰り返すが、「不確定性原理」真のすごさは、別なところにあった。それはミクロ世界の「ゆらぎ」の核心を突いていたことじゃよ。

 

これを「ロバートソンの不等式」と言う。ハイゼンベルグとは別に、ロバートソンと言う物理学者が、ミクロ世界の「ゆらぎ」を独自に考えて、不等式に表したものじゃ。

 

形はハイゼンベルグの不等式と同じだが、「位置の誤差」が「位置のゆらぎ」へ、「運動量の乱れ」が「運動量のゆらぎ」に置き換わっている。

 

この「ロバートソンの不等式」は数学的にも証明されている。今までは、ミクロ世界の「測定上の問題」と、「量子のゆらぎ」混同して説明されていたから、この「ロバートソンの不等式」によって、その区別が明確になってきたと言える。

そして「ハイゼンベルグの不等式」「小澤の新不等式」へ変更された訳だな。やはり時代の進化はすごいな。

 

この「ロバートソンの不等式」によるとミクロの世界は、「ゆらぎ」というものに支配されている。

つまり、量子などの電子は、常に揺らいでいる。決して1点に止まることができない

 

だから位置にも幅があり、運動量にも幅がある。なぜミクロの世界ではゆらぎ、すなわち「不確定性」があるのか。真空のゆらぎのせいであることは分かっているが、ではなぜ真空がそうなっているのか。その明確な理由は分からない。

 

が、そのおかげで、電子の運動エネルギーは0になることは出来ない。なぜなら、電子の運動には、「プランク定数」という最下限値の制約があるからじゃ

 

つまり、運動エネルギー位置エネルギーを掛けた値は、かならず「プランク定数」以上になるという「決まり」が、ミクロ世界にはある

決して0になることは出来ない訳じゃよ。

 

その式が、「ロバートソンの不等式」

σ(Q)×σ(P=h/4πという式だ。

 

大事な式だからここに書いておこう。この式があるおかげで、原子は決して潰れないわけだよ。

 

右辺のh/4πは、電子の「角運動量」(スピン)を表している。

ここでh(エイチ)が「プランク定数」を表しており6.63×1034〔㎡・㎏/s〕という数値を持っているから、このおかげで電子の運動エネルギーが0になることは出来ない、という保障を与えている。

 

式の左辺のσ(シグマ)Q(キュー))は、位置のゆらぎ、σ(シグマ)P(ピー))は、運動量のゆらぎ、右辺の h/4πは、電子の角運動量(自転)を表している。

 

このhが、プランク定数の事だ。

ここでのπは、「弧度法」180度を意味し、4πは720度になる。720度は2回転の複素回転を意味するが、「虚数」を含んだ回転だからイメージしにくいな。

右回りで1周、次に左回りで1というふうに、2回転で元の戻る回転だが、「メビウスの輪」をイメージすると分かりやすいかもしれん。表が裏となり、裏が表になる回転だな。

 

 

プランク定数とは

 

 

ここでプランク定数とは、一体何かをもう1度説明しておくと、光子1個の1回の振動エネルギーのことだ。プランク定数h6.63×1034〔㎡・㎏/s〕 と表される。

 

マックス・プランク(18581947年)が発見したから、プランク定数と命名された。1900のことだったな。よくぞここまでの小さい値を測定したな。

1034とは、人間の想像をはるかに超える小ささじゃな。小数点以下の0が33だからな。本当にプランクさんはすごいな。

 

光は波だが、その波が、11箇の「光子」という「粒」の集まり、と言うんだから、本当に自然界は不思議だな。波動であって粒子でもある、というんだからな。まさしく自然界は、相反する2つの同時存在じゃよ。

そのプランクも、1918年度のノーベル物理学賞を受賞している。

 

このプランク定数が、どういうことを意味しているかというとこの世の光子エネルギーは、決して0にはならないということだな。

 

しかも増え方はプランク定数の「整数倍」となっている。必ず2倍、3倍、4倍・・・というふうに整数倍で増える。

 

つまり、振動数に整数倍比例する。

E=hν という式だな

 

この式によって、金属に光を照射すると、電子が外へ飛び出してくる「光電効果」が説明されて、わしアインシュタインは、1921年にノーベル物理学賞を受賞したわけじゃ。

 

わしの名は「相対性理論」で有名だが、ノーベル物理学賞を受賞したのは、この「光電効果」だったから、これに対する「思い入れ」は深いんじゃ。

なぜなら、光速cが、自然界の「最高速度」を示し、プランク定数hが、自然界の「最低エネルギー」を示していることだ。すなわち、両方とも「光」だということだ。

 

つまり、「光」と言うものが、自然界の「果て」を決めているということだ。そこにわしは、光のもつ「特殊性」を感じるんじゃよ。

 

ここでh(エイチ)は、プランク定数、ν(ニュー)は、振動数のことだ。

 

この振動数の違いから、Ⅹ線、紫外線、可視光線、赤外線の違いが出てくる訳だ。

人間にとって有害なものと、無害なものの違いが、単なる振動数の違いのみから、もたらされている訳じゃ。

次回へ。