小説「天界と地界」Ⅲ部
〔東洋医学論〕18号
2021年9月10日
「三才論」とは
東洋医学には、「三才論」という考え方があります。
「三才論」とは、この世の「生命」や「物質」の誕生は、「三の作用」を経て行われる、という考え方です。
例えば、生命誕生のメカニズムは、「陽」(精子)と「陰」(卵子)の融合です。男の「遠心力」と、女の「求心力」が融合し、「生命の誕生」となります。
すなわち、1番目が精子の「遠心力」、2番目が卵子の「求心力」、3番目が「受精」という図式です。
東洋医学では、奇数を「陽」、偶数を「陰」と定義しています。
すると受精は、1(陽)+2(陰)=3(生命)となります。これを「三才論」と言います。
すなわち、万物は「陰陽の統一体」であり、「万物は三才である」となる訳です。
「三」は「万物創造数」なり!
中国の古典『老子』に、
「道は一を生じ、一は二を生じ、二は三を生じ、三は万物を生ず。万物は陰を負いて、陽を抱き、沖気(ちゅうき)もって和を為す」とあります。
すなわち、「三」は「万物創造数」だということです。
このために、3という数字は、「無限」を表現する
数となり、3×3=9で生成数の最後にして最高の数、
数の極まったものとなります。
そして、9の次の数は10となり、0の「太極」に
還元されるのです。
現代物理学によると、この世の物質・生命は、すべて「原子」から成り立っています。
人間の体・細胞も「原子」から作られています。
これは、一切の例外もありません。
その原子の構造は、「陽子、中性子、電子」の「3種類」の粒子から構成されています。
陽子、中性子の場合は、さらに分割され、3つの「クオーク」から構成されていることが判明しています。
このように、生命を構成している「原子」そのものに、東洋医学の「三才論」が貫徹しているのです。
想像力をもっと伸ばしてみると、生命に絶対必要なものとして、光、水、地球の「3つ」があげられます。
これらにも「三才論」が適用されています。
すなわち、光の3原色(赤、青、緑)であり、光の速度は、1秒間に 3×108 乗メートルです。
水はH20と表され、水素2個と酸素1個の計3個です。
地球は、太陽系3番目の惑星です。
太陽に近いものから、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星となります。
以上のようにして、生命の原理、物質の原理、には「三の作用」が働き、東洋医学では、これが「三才論」となり、「天・人・地」と言われているのです。
また、生物と無生物の決定的違いは、「自己複製力」があるかないかの違いです。つまり、自己を複製できるのが生物です。
すなわち、生物は、自己複製の「遺伝情報」を持ち、エネルギー製造工場である「細胞」を持ち、さらに、必要な物質を取り入れ、それを活動エネルギーに変える「代謝活動」を行うことが出来ます。
以上の「遺伝情報」「細胞」「代謝活動」の3つを、生物の「3大条件」と言います。
そして、その「自己複製」の流れには、一定の「決まり=順番」が有ります。
それは、DNA→RNA→タンパク質製造 と言う流れです。すなわち、複製→転写→翻訳 という流れと置き換えることができます。これを地球生物の「セントラル・ドグマ」と呼んでいます。生物の「中心原理」のことです。これもまた「三才論」です。
「三才論」の「決定的な証拠」が、E=mc2 です!
その「決定的な証拠」となるものが、かのアインシュタインのE=mc2 という世界1有名な「特殊相対性理論」の公式です。
エネルギー=質量×光速c×光速c となります。
つまり、エネルギー、質量、光速cの「三要素」です。この公式が、この世の「原子」を誕生させ、「物質」を誕生させ、「生命」を「誕生」させる、ことを示しているのです。
「光」がこの世の「すべて」を生んだ!
すなわち、「光」が、この世の「すべて」を生んだ ということです。光ありて宇宙ありき、物質ありき、生命ありき、となるのです。
太陽の「光エネルギー」こそが、生命の「誕生、成長、維持」の「すべてを統括」している理由が、そこにあります。
そして、光は、「陰陽論」と、「三才論」に支配されていることです。
光の「陰陽論」とは、光は「波」と「粒」、「電場」と「磁場」、「山」と「谷」の繰り返しであること。
また、光の「三才論」とは、光は3原色(赤、青、緑)であること、光の速度は、1秒間に 3×108 乗メートルであることです。
以上のようにして、東洋医学は、「陰陽論」から出発し、「三才論」となり、「三陰三陽論」へと発展し、さらに「六陰六陽」へと進化していきます。
次回へ。