〔時間の本質論〕31号
2021年2月3日
単細胞のアメーバは、40億年の時間をかけて、ホモ・サピエンス・人間まで進化を遂げた!
前回までの30回に渡って、時間の「本質」について考察してきた。すなわち、時間の本質とは、「生命進化エネルギー」であり、「循環エネルギー」である、ということだ。
膨大な時間の経過は、この世のあらゆるものを変化させ、生命を進化させてきた。単細胞の原始生命体・アメーバは、40億年と言う長い長い時間をかけて、遂には知的生命体であるホモ・サピエンス・人間にまで進化を遂げたのだ。
地球上の生命界は、さまざまな動物、植物、微生物などの「多様性」に満ち溢れ、たくましく生きている。
いかなる危機にも負けず、延々と命を途切らせることなくつないで来た。
まさしく驚異であり、これほどの感動はない。
40億年という歳月は、私には想像も出来ないが、これほどのすごい「進化エネルギー」を持っているのだ。
私事だが、結婚して46年になる。子供3人に恵まれ、孫が12人となり、今では家族が20人となった。
先祖を10代遡ると1024人、20代で100万人以上、30代になると、なんと10億人以上の先祖がいたことになる。
時間の経過というものは、それほどの大変化と、たくさんの人生経験をもたらしてくれる。
話を戻すが、時間は、必ず「空間」を伴っている。
人は皆、自分の誕生日(時間)を持ち、家族で祝う。
そして、人間は自分の「住所」をもち、太陽系の中の地球という「空間」の場で生きている。
そもそも「時空」とは何か
このような時間と空間の「同時存在」を、アインシュタインは、「時空」と言う概念で呼んだ。
アインシュタインの「一般相対性理論」によれば、重力は「時空の曲がり」から発生する。言葉で表すとこの一言だが、では原点に戻り、そもそも「時空とは」一体何だろうか。
アインシュタインによれば、時空とは、「時間」と「空間」を「等価の原理」により、「一体化」したものとなる。
なんとなく分かるが、イメージするのが難しい、というのが正直な印象だ。天才のすごさは、そういう不可思議なことを数式化する才能だ。
アインシュタインは、目に見えない「エーテル」を否定したが、同じく目に見えない「時空」というものを新しく想定した。
両方とも目には見えないものだ。本当に「時空」と言う「見えない膜」があるのかどうかも、科学的に確認はされていない。
ただ数学上(リーマン幾何学)の計算により、「時空膜」を想定してその「曲率」を計算すると、「重力」が正しく説明できるという訳だ。
すなわち、光も「時空の曲がり」具合に従って、実際に曲がると言う観測結果だ。あるいは「重力レンズ」現象である。さらには「時空の極限」である「ブラックホール」の存在がある。
それでも「時空とは」一体何か、と自問するとイメージしにくいものがある。
この感覚は、私特有なものかも知れないが、私はこういう「もやもやした感覚」を大事にしている。
と言うのは、こういう「もやもや感」が、思考を回転させるエネルギーとなるからだ。
この「時空」に関しても、何年も考え続けているが、今現在の自分なりの考えとして、次に書いてみる。
時空とは「振動」する「情報ネットワーク」である(仮説)
さて今現在、私の考える「時空」の仕組みとは、次のとおりである。すなわち、宇宙はビッグバンという「光の爆発」で始まった。そのビッグバンの「光」には、宇宙すべての「情報」と「エネルギー」が刻印されていた。
受精卵子1個のDNA情報が、その後の生命情報の「すべて」を含んでいるように、「すべて」の情報は、その「始まり」にあると思う。
そのビッグバン光の「初期情報」と「エネルギー」が、「ヒッグス粒子」と結びつき「超ひも」を作り、「時空」を作った。
そして、「時空」に張り付いた超ひもの「振動」と「場」の作用により、17種類の「素粒子」が作られていった。
その素粒子が、原子を作り、分子を構成し、恒星や惑星を形成した。その恒星が核融合の寿命を使い果たし、重力崩壊を起こし、最後は超新星爆発で終わる。
その超新星爆発が、さまざまな元素を宇宙空間にばらまき、それらの元素から、また新たな星や生命が形成されていく。
また超新星爆発によりブラックホールが作られ、巨大な重力と回転力となって、新しい銀河を誕生させる。
このように、始まりが終わりを迎え、その「終わり」がまた新たな「始まり」となる。宇宙の「循環の原理」だ。
同時にブラックホールは、「別宇宙」へとつながり、「ペアー宇宙」を形成する。
そういうペアー宇宙が多数集まり、さらなる大宇宙を形成していく。それらのペアー宇宙が、いずれ反転し、衝突の瞬間が来る。 これが新たなビッグバンとなり、次世代のペアー宇宙が始まる。というシナリオである。次回へ続く。