「神の設計図」Ⅱ部 

 

〔生命論〕9号  

 

  2019年 2月13日

 

今から33年前の1986のことです。ソビエト連邦下のウクライナ共和国において、チェルノブイリ原発4号機が、爆発し、炎上すると言う大事故が発生しています。(レベル7)

 

この原発事故によって、多くの犠牲者が出たことは、本当に悲しいことです。火災鎮火に直接携わった消防士31名の死亡は、正式に発表されましたが、それ以外の一般住民の死亡数についての正式発表は無かったということです。ソ連社会主義政権秘密主義の一端だと言われています。

 

またチェルノブイリ原発事故で、多くの放射性物質が、風によって運ばれてきたベラルーシ共和国においては、子供の甲状腺がんが多発していることも報告されています。

池上彰の現代史講座『チェルノブイリからフクシマへ』

2017817日公開、13751Youtube動画を参考。

 

33年経過した2019年2月現在でも、尚、立ち入り禁止区域は解除されてはいません。またチェルノブイリ原発から70km離れたナロジチ地区では、1万人以上の住民が、20年経った2006年の調査によると、事故による放射性物質に汚染された牛乳、豚肉、牛肉、野菜などの摂取から来る「内部被ばく」怯えているというのです。また30歳過ぎに突然の心臓発作に襲われ、その後も心臓不調疲れやすさが続いていると言う女性からの訴えもあります。

 

原発事故の影響がいかに長く続くことか、そしていかに悲惨なものであることか。日本でも2011311日に福島第一原発事故が発生しています。今後は再びこのような原発事故を起こしてはならないし、決して忘れてはいけないことです。

(以上、〔内部被ばくに迫る!チェルノブイリからの報告「NHKスペシャル汚された大地でチェルノブイリ20年後の真実」。2018年2月8日公開。40656Youtube動画を参考 

 

21世紀は、原発炉廃止の方向だと思います。21世紀のエネルギー問題は再生可能エネルギーの時代を迎えています。科学技術のレベルも格段に進化しています。

 

何よりも使用済み核燃料の廃棄場所が、一切解決されていないことです。今後もその解決へ至る道は、現時点において、可能性は極めて低い、と言わざるを得ません。そもそも「高レベル放射性廃棄物」が、安全無害化するまでの時間の長さです。「数万年~数千万年」という途方もないほどの時間がかかる、と言われているのです。(Newton原発と放射能』2011年7月号より)。

 

さて、話を戻して過酷な環境における動物や植物はどうでしょうか。果たして絶滅しているのか。それとも生存しているのか気になるところです。もちろんこのような動物や植物の事例が、即、人間の生命力適応されるとは考えていません。生命にとって放射線が有害であることは、科学的にも明らかとなっています。 

 

ここで考察したいことは、今まで起きた原発事故から、放射線が、動物や植物の生命に及ぼしてきた事実の考察です。それを知ることによって、動物や植物の生命力の可能性を知り、ひいては人間自身の持っている生命力の可能性を探りたいと言うことです。

 

なぜなら、動物も植物も人間も、同じ「DNA」で、生命が運営されているからです。DNA」のわずか4種類の塩基暗号(ATGCは、地球上のすべての生物に共通だからです。

そういうことを前提にした上で、世界最悪のチェルノブイリ原発事故が、動物や植物にもたらした影響を、以下に考察してみたいと思います。

 

 

 

動物や植物は、「たくましく」生きている!

 

 

今から33年前の1986ソビエト連邦下のウクライナ共和

国において、チェルノブイリ原発4号機が、爆発し、炎上すると言う大事故が発生した(レベル7)。その事故発生から、25年経過した2011年、チェルノブイリ調査隊がウクライナ政府の許可を受けて、立ち入り禁止区域へ入って、調査を開始した。すると大量の放射性物質に汚染された立ち入り禁止区域でも、青々とした植物が茂り、たくさんの動物達(狼、狐、牛、馬、バイソン、亀、ワニなど)が生存している、ことが確認されている。

 

また原発の冷却用プールには、巨大なまず2.5メートルを超える)が生きている。さらに狼の赤ちゃんの健康状態も調べられた。すると、いたって健康で、奇形児もいない

 

しかも原発事故時よりもその数は増加している、ことが確認されている。食物連鎖の頂点に立つ狼が、数を増やし、奇形児もなく、強く生きている。ということは、その下位に属する多くの生物も元気に生きているのではないか。そういうことを示唆しているというのです。

(以上「チェルノブイリ立ち入り禁止地域にカメラ潜入、野生動物天国、7:56版」Youtube動画2016727日公開。

 

続いて、動画・『動物達のチェルノブイリ』高濃度放射能汚染区域に棲息する野生動物達。4555版、2016213日公開より引用してみます。

 

ウクライナ共和国のプリピチャ市は、事故現場のすぐ北に位置する誰1人住む人のいないゴーストタウンであり、20年以来の立ち入り禁止区域です。

 

ところがこの無人のゴーストタウンは、皮肉なことに緑豊かな森が生い茂り、多種多様な野生動物の住みかとなり、かつての事故当時のペットたちの子孫も生きている。

 

廃屋の中では、雌の親ネコが3匹の子ネコを育てている。外の庭にはリンゴがたわわに実り、それを食べにきた熊の兄弟が、その巨体を利用してリンゴの木をなぎ倒し、リンゴをかじっている

 

若いオスの狼が、メスの狼を探して森の中を歩き回っている。この地域は、広島原爆の400放射性物質が放出され、多量の死の灰が降り注ぎ、それが地面に積もっているとのこと。

 

にもかかわらず、多種多様な生物達「たくましく」生き残って、楽園を形成している。水生のミミズの生殖行動が変化し、無性生殖だったのが、交尾をするようになった。有性生殖に変化することによって、遺伝的多様性を獲得し、放射性物質汚染に対抗しているとのことです。

次号へ続きます。