【プレミアリーグ第13節】
チェルシー 0-0 マンチェスター・シティ
■先発メンバー
GK:ハート
DF:サバレタ
DF:コンパニー
DF:ナスタシッチ
DF:コラロフ
MF:ミルナー
MF:ヤヤ
MF:バリー
MF:シルバ
FW:アグエロ
FW:ジェコ
CLではレアルマドリーと引き分けに終わりグループリーグ敗退が決まった。
したがって本意ではないにしろプレミアリーグ連覇という目標に集中出来る状況に…。
ミッドウィークにウィガンとの試合もあるが、先ずはこの試合に集中しなければならかない。
相手は欧州王者のチェルシー。
シティは12節終了時点で1位。
対するチェルシーは首位と勝ち点差4で3位につけている。
お互いに大金持ちのオーナーを持ち、言わば“世界最高レベル”のスター選手を大量に抱えるビッグクラブ同士の対決だ。
シティとしては当然野心やプライドって意味でも絶対に負けられない。
CL敗退で負った傷は深いが、プレミアリーグの本当の戦いはまだまだこれから。
ライバルを叩いて無敗を維持し、来るべきダービーへ向けて勢いをつけたい試合だ。
さて“海老蔵似”でお馴染みのチェルシー・ディマッテオが突如解任され、後任に元リヴァプールのベニテスが就任。
フォーメーション変更があるのか注目していたが、新体制のチェルシーはほぼいつものスタメンできた。
プレミアリーグをよく知る大物ベニテスだが、この試合に関してはディマッテオの作ったスタイルをそのまま受け継いだようだ。
警戒すべきはトーレスではなく2列目のタレント達だ。
マタ、オスカル、アザールの3人が造り出す様々な攻撃を抑えることが大事だ。
けして単純ではない攻撃を仕掛けてくるだけに、シティとしてはバイタルに侵入される手前で彼らの良さを消すことが大前提になるだろう。
その為には前線からのプレッシャー、中盤での攻防で主導権を握ることが不可欠。
そう考えるとマンチーニがジェコを先発メンバーに選んだのは若干疑問だ。
前線からのプレッシャーという部分を考えると、運動量の多いテベスを使ったほうが絶対に機能するはずだからだ。
案の定、試合はオープンな展開にはならず、中盤で一進一退の激しい奪い合いになった。
バリー、ヤヤ、ミルナーは守備に追われ、やっとボールを奪ってもなかなか前線に良いパスが供給出来ない。
密集する中央を避けてサイドを有効に使ったり、シルバがなんとか工夫しようと試みてもなかなか上手くいかない。
それだけチェルシーが集中していたと言えるだろう。
チェルシーは攻守の切り替えが速く、ラミレス、ミケルがハードワークしシティの攻撃の芽をことごとく潰してきた。
たとえ中盤で良い形を作っても最後の所でダビド・ルイス、イバノビッチが体を張って守ってきた。
加えてツェフという世界最高峰のキーパーも大きな壁が立ちはだかっていたわけだ。
こういうガチガチな展開を打開するには、セットプレーや個の力で崩さなくてはいけない。
しかし、シティは11本あったコーナーキックを生かせなかった。
殆どをコラロフがシルバを差し置いて蹴ったわけだが、全く工夫が見られず単純なボールはことごとくチェルシーに跳ね返された。
惜しかったのはシルバが蹴った最後の1本がナスタシッチにピッタリ合ったヤツだけ。
こういう部分がバルサやレアルマドリーとの意識の差だろうな。
バルサなんかはコーナーキック1本に色んなアイデアを持っている。
けして単純には上げない。
殆どがショートコーナーで必ず何か変化をつけてくる。
マドリーにしてもセットプレー時には圧倒的な集中力と技術の高さを発揮する。
バルサにはメッシとシャビ。
マドリーにはロナウド、エジルといった素晴らしいプレースキッカーがいるわけだが…
シティだってシルバを筆頭にプレースキックリの担い手は数多くいる。
しかしながら、セットプレーのチャンスを確実にゴールに結びつけるアイデアに欠けている印象は否定出来ない。
たしかにコラロフのキック力は凄い。
当然ながら長い距離では大きな武器だし結果も出してきた。
しかし、味方に合わせるという技術ではシルバやナスリに劣っていると思う。
シティの場合、直接フリーキックの際には必ず2、3人のキッカーが“俺に蹴らせろ”とボールに群がるが、どうもコーナーキックの時には“誰でもいいよ”という雰囲気を感じるのだ。
この試合ではコラロフが当然のように蹴り、シルバもそれを容認していたようだが、結果的にコラロフの蹴る単純なボールでは得点の可能性を殆ど感じることがなかった。
もっとショートコーナーを使ったりというアイデアが欲しかった。
個の力という部分でもこの試合ではイマイチ実力を発揮出来なかった。
ジェコの強さと高さ、アグエロのスピードとテクニックは完全にチェルシーDF陣に抑えられてしまった。
2人のフィジカル・コンディションや雨というピッチのコンディションも影響しただろうし、何しろチェルシーの守備意識・集中力が素晴らしく高かった。
敢えて言えば、アグエロは切り返しやトラップの際に、簡単に滑る場面が多すぎる。
以前名波氏が指摘していたが、スパイクのチョイスに問題がある可能性が高い。
怪我の影響はおそらくないと思うが、いずれにしろ肝心な場面で滑ってしまってチャンスを不意にしてしまうことが多すぎる。
DF面はかなり改善されてきたと思う。
19才のナスタシッチも試合を重ねる毎に安定感を増している。
サイドバックの裏のスペースのカバーも怠らないし、一対一の強さという部分でもトーレスを殆ど完璧に抑えたことがそれを証明した。
まぁ、守備面ではレスコットより上だと思う。
あとはビルドアップと攻撃面が課題だろう。縦に入れるパスはまだまだ正確性を欠いているし、コーナーキック時はいつも良いポジションにいるが決定力を欠いている。
高さも強さも一級品だし、後は経験を積んで上手さや賢さを養って欲しい。
今はコンパニーが色んな面で助けている感じだが、いずれは1人立ちしリーダーシップを発揮出来るような選手に育ってもらいたい。
お互いに良さを消し合う拮抗した試合展開で、結果的にはスコアレスドローに終わったが…
中盤での攻防は非常に見応えがあったと思う。
しいて言えば、両チームのストライカーの出来が悪かったことが残念。
トーレスにしろジェコ、アグエロにしろ殆どインパクトを残せなかった。
バロテッリに至っては…
イエロー貰う為だけにに出てきたような酷さだった。
これは近いうちに放出もあり得ると思う。
同時に、父親的な存在であるマンチーニの去就問題にも影響してくるだろう。
もしもチームがタイトルを逃すような事態になれば、2人してイリアへ帰るという可能性も高いのではないだろうか?
そうしない為にはバロテッリが試合で真面目に働き結果を出すしかないだろう。
バロテッリ自身の気持ちは分からないが、少なくともマンチーニはそう願っているだろう。
さて、この試合の結果残念ながらシティ陥落となった。
強いのか弱いのかイマイチ分からないユナイテッドはなかなか負けない。
ファン・ペルシー、ルーニーの2枚看板は相当手強い。
来月はいよいよダービーで顔を合わせるわけだが、出来れば有利な状況でぶつかりたい。
怪我人を出さず、上手く調整して欲しいし、その為にはドルトムント戦をターンオーバーの場とするのはやむを得ないだろう。
“打倒ユナイテッド”“プレミアリーグ連覇”に目標修正していくしかない。