台湾(1)石門の活魚レストラン | 左利きライフ

台湾(1)石門の活魚レストラン

8月中旬から、相方姉妹と台湾の桃園エリアを訪問。


中壢駅近くの宿へ荷物を預け、バスとタクシーを乗り継いで向かう「石門水庫」は、淡水河の支流である大漢渓をダムで堰き止めた巨大な貯水池。桃園県や新北市に飲用水を供給できるほどの水質を誇る。


午後2時半。観光を終えたところで遅めの昼飯を食おうと、池の反対側にある飲食店エリアを目指して歩く。

事前に数軒の飲食店を調べたが、観光スポットのあるほうには飲食店がない。飲食店の建物跡はいくつも目にするのだが、ことごとく閉店しているのだ。恐らくあの疫病のせい。GoogleMapのストリートビューを見ると、かつての賑わいに驚かされる。たった数年でこんなに変わってしまうとは。


池を渡るのに利用した渓洲大橋は石門路という交通量の多い省道(日本の国道にあたる)で、車が脇をビュンビュン走り抜けるので、安心して歩けない。

暑さの中、40分ほど歩いてヘトヘトになったので、最初に見えたお店へ迷わず飛び込む。良かった、冷房開放(エアコン稼働中)だ。汗だくの身体に涼しい空気が染み込んでいく。助かったー。

 

店名にある「橋頭」は「橋のたもと」の意味。渓洲大橋のほとりにあることから命名したのだろう。石門水庫の綺麗な水に生息する草魚やコクレンを使った魚料理は「石門活魚」と呼ばれる。もっとも最近は、漁獲量の減少に伴い、他所の魚を貯水池で泥抜きするケースも多いという。


ビールを求めて冷蔵庫を覗く。ハイネケンもあるけど、ここは2種類の台湾ビールをいただこう。

 

一品料理のほとんどは「小サイズ」も用意されているので、少人数でも色々と味わえる。魚は見て選ぶこともできるようだ。今回は頼まなかったが、活魚だけでなく土雞(地鶏)も売りみたい。


蔥爆牛肉(葱と牛肉の炒め)。牛肉は柔らかく、葱はシャキシャキ。生姜の効いた味わいは、台東で食べた料理を思い出させる。

 

丁香山蘇(山蘇の炒め)は、唐辛子でピリ辛仕上げ。山蘇は沖縄でも食されるシダ植物「オオタニワタリ」。先っぽが蕨(わらび)のように丸まっており、食感はサヤエンドウに近い。「丁香」は香辛料のクローブのことだけど、ここでは「丁香魚(シラス、煮干し)」の意味。実際、小魚の煮干しが入っている。


豆腐のほうが目立つけど、豆瓣魚(活魚の豆板醬ソース)。ピリ辛の餡掛け。結構大きな骨が入っているので注意すべし。


炒麺は上品な味付け。「餡掛け塩焼そば」って感じで、比較的おとなしい料理。

 

鹹蛋皎白筍(マコモダケの塩卵炒め)。塩っぱさが吹き出した汗の塩分を補う。妹曰く「これが一番印象的」。


美味しく飲み食いしていたら雨が降り出し、やがて土砂降りに。暫く待っても雷雨が止まないので、会計と同時にタクシーを呼んでもらった。

あとで気づいたのだが、今回渡った渓洲大橋の手前に人間と自転車用の橋があるようだ。次回訪れる際は、そちらの橋を渡ってみよう。ルートが変わるので別の飲食店を利用することになるだろうが、それも面白そうだ。
 

 

(つづく)

 


【寄り道】
橋頭活魚餐廳(橋頭活魚餐庁)1160NTD



(2023.08.19)