武尊山麓のお酒を(後篇) | 左利きライフ

武尊山麓のお酒を(後篇)

『土田酒造』から少し戻って『永井酒造』へ。水芭蕉で知られる酒蔵だ。

 

大きな酒林の下には、水が流れ落ちており、酒の神様も祀られている。

武尊山の伏流水で、仕込み水ともなっているとのこと。冷たくて美味しい軟水。水割りにでも使おうと、ペットボトルに詰める。

 

車を駐めたのは事務棟だった模様。

 

案内表示に従い、敷地内を通って売店へ。想像より小さな空間。

新型コロナ対策で試飲はできないとのこと。蔵の方針だから仕方がない。代わりに、どんなお酒か説明して欲しいところだけど、店番の女性2人は、レジカウンターから出て来ない。

 

1人は私服=事務員で、本当にただの店番なのかも知れない。商品テーブルの下にあるのは甑(こしき)かと尋ねると「そうです」と答えてくれたので、ある程度の知識はあるようだけど。

蔵人らしい格好をしたもう1人が問題。造ったお酒を飲んでもらおうという熱意を感じられず、もうガッカリ。「黙ってても売れる酒蔵の殿様商売か」と勘ぐってしまう。

せっかく来たからと、水芭蕉 純米吟醸 ひやおろし、谷川岳 純米 ひやおろしなどの季節商品や、水芭蕉 純米吟醸辛口 スパークリングなどを購入。

 

 

 

 

実は、谷川岳が『永井酒造』の製品であることを初めて知った。今回宿泊した湯宿温泉『太陽感』の経営者が蔵元のいとこらしく、夕食時に注文した「飲み比べセット」に谷川岳が入っていたのだ。そんな経緯で酒蔵を訪ねたんだけど、残念な結果となった。

帰り際に見掛けた年配の蔵人さんに「店番を交代して欲しい」と声を掛けるべきか、本気で迷った次第。


利根沼田望郷ライン〜奥利根ゆけむり街道を経由して10分。沼田市へ入ると、左大臣を醸す『大利根酒造』がある。

 

店頭では、仕込み水が自由に飲めるようになっている。

 

井戸水とのことだけど、冷たくない。『永井酒造』の仕込み水とは系統が違うようだ。


相方に遅れて、薄暗い店内へ。自宅と店を兼ねた天井の高い建物。

 

こちらも試飲は不可のようだけど、相方は蔵の奥方からガンガン説明を受けていた。これこれ〜。これが商売人の姿勢ってもんよ。

 

仕込みは冬季のみなので、終売の商品(札が掛かっている)が多い。

 

88%精米(県産の飯米「あさひの夢」を使用)という左大臣 米(八十八)無濾過 生原酒も終売。「火入れのお酒は明日から出荷開始」だというので、壜火入れをしたばかりという、ほんのり温いお酒を前倒しで売ってもらう。

 

県産「こしひかり」を使った生酒2銘柄も気になる。ひとつは左大臣 穂(ぼ)純米生原酒。

 

もうひとつは左大臣 望郷 純米 生にごり酒。どちらかひとつ買いたいけど……。

 

ふと思った。望郷の上澄みを飲めば、に近い味わいになるのではないかと。「概ねその通り」との回答。それならと、1本で2度楽しめる望郷を選択。

 

望郷のにごり具合を見よ! ラベル半ば以上まで澱(おり)が溜まっている。全体の4割以上が澱だ。壜内2次発酵につき、開栓注意。


お酒の違いをきっちり説明してもらい、納得の上で選べた。左大臣 粋(すい)純米生原酒、定番の左大臣 純米酒も購入。

 


配送日は、自宅に次々と日本酒の箱が届いて、大変だった。


【寄り道】
永井酒造
大利根酒造



(2020.08.21)



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