■鼻うがいとは?

今田耕司さんが鼻からドバドバと液体を出すCM、もうお馴染みですよね。

 

ハナノアCM

 

とにかく絵が強烈!

インパクトが凄いので「これなんだ?」って印象に残ります。

 

 

その正体は「鼻うがい液」

鼻から洗浄液をいれて、鼻の奥の奥、上咽頭を洗うためのものです。

<出典:呼吸にまつわるふかーい話※2>

 

上咽頭には呼吸時に空気中の異物(細菌、ウイルスなど)を排除するため、咽頭扁桃というリンパ組織があります。風邪をひいたときに鼻の奥が痛むのは、ここに駐留しているリンパ球がウイルスや細菌を捕まえて殺すとき炎症が起きるため。インフルエンザの検査や新型コロナの検査でここに綿棒をいれるのは、この上咽頭に菌やウイルスがひっかかっているからです。

 

<出典:いなおか耳鼻咽喉科

 

要するにこの場所には手と同じように「バイキン」がたっぷりつきやすい

この場所を清潔に保つことは、風邪やインフルはもちろん、新型コロナの予防にも役だちます。そこで、手を洗うように、鼻の奥も洗いましょう、ということですね。

鼻うがい、という言葉自体は誰がいつ言い出したのか知りませんが、鼻から洗浄液を入れて直接鼻の中を洗う方法は昔からあります。

 

わたしも子供のころからアレルギー性鼻炎があって、すぐに鼻水が垂れる方だったので、こういう器具を使って洗っていました。

 

 

花粉でもほこりでもきれいに流せるので、洗った後はとてもすっきり爽快。もちろん細菌やウイルスも洗い流せます。

 

ただ、洗浄液が決して安くはないのが玉に瑕。

 

このハナクリーンは専用パウダーを水に溶かして作るのですが、一回分が20~30円。一日2回洗うと月に1200~1800円かかる。ハナノアだと月に5000円ほどもかかります。

 

そこで、わたしはもう何年も前から、鼻うがい液を自作しています。今日はその作り方をご紹介します。

■用意するもの

§洗浄ビン

鼻うがい液を入れる容器です。首の曲がりが鋭角だと鼻に入れづらいので、 90度くらいのものがベスト。

 

 

 

§デジタルスケール(1cc計量スプーンでも可)

塩4.5gを量るためのものです。

1㏄の計量スプーンでも代用できます。

 

 

§水 500ml

水道水で十分です。

 

§塩 4.5g

1㎏100円の塩で十分です。

 

§ペパーミント精油

洗いあがりのスッキリ感のために入れます。ペパーミント精油にはアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎に対する薬効もあります(※1)。

精油を買うなら生活の木の製品が価格面と品質面でリーズナブルだと思います。逆にいえば、これより安いのは(たぶん)ダメ。精油には偽物、粗悪品も少なくないので、騙されないようにしないといけません。

 

 

 

§無水エタノール

ペパーミント精油を薄めるために使います。

精油は、直接水にいれても混じりませんが、エタノールで薄めると水に親和します。

今回はたった3㏄しか使わないので、このためだけに買うのはちょっと躊躇しますが…

油汚れをとったり、水を20%入れると消毒液にもなるので、一本あれば何かと使えます。

 

 

 

§ミニビーカー(10ml)

精油をエタノールで希釈するために使います。

 

 

§遮光ビン(3~5ml)

薄めたペパーミント精油を入れる容器として使います。ドロッパーは精油の滴下装置で、1滴0.05ccになるように作られています。これがないと計量が面倒なので、必ずドロッパー付きのビンにしてください。

 

■作り方

まず、ペパーミント精油の薄め液を作っておきます。

 

①ビーカーに無水エタノールを5cc入れる

②これにペパーミント精油を10加えて、ガラス棒などで軽く混ぜ、遮光ビンに移す。


これで濃度10%のペパーミント薄め液が出来上がり。500mlの鼻うがい液11本分です。分量は間違えないように慎重にいきましょう。

 

③洗浄ビンに水道水を500㏄入れます。

④これに塩4.5gを量って入れ、よく混ぜます。

 

これは生理食塩水の濃度です。こうしておけば、あの鼻にツーンとくる痛みにやられることはありません。

 

1ccのスプーンで塩4.5gを量るときは、3杯半です。精油の薄め作業と違って、これはアバウトでも大丈夫。塩が多すぎると、しょっぱさを感じるようにはなりますが。

 

⑤最後に10%ペパーミント薄め液5~10滴を加え、よく振って混ぜて出来上がり。

 

ペパーミントはとても爽やかでスッキリするのですが、刺激も強いです。5滴から始めて、好みの濃度になるまで少しずつ加えていくようにしてください。

 

わたしは最初6~8滴でしたが、だんだん慣れてきて今は11~12滴がちょうどいい感じです。16滴を越えるときつくて使えません。

 

ここは1滴でも感じが違ってくるので、慎重に適量を決めてください。

■使い方

鼻の中を傷つけないように、ノズルを浅めに入れて洗います。

一回に洗う分量は50㏄くらいが適量とされています。わたしは500ml作って3~4日で使い切ってしまうので、少し多めに洗っている計算になりますが、まあ適当で大丈夫です。

 

自作のいちばんのメリットは安くできること。

500㏄作っても費用は10円ちょっとです。

かたやハナノアは10回分500㏄で800~900円。

朝晩2回洗うと月5000円前後もかかります。

でも自作ならお財布に気兼ねはいりません。

手を洗うように、鼻もしっかり洗えます。
 

そして、作ったら数日で使い切りましょう

防腐剤が入っていないので、何日もほっとくと腐ります。

ペパーミントには強い抗菌作用があります(※5)

が、抗菌作用をあてにせず、早めに使い切るのが基本です。

 

わたしはもう何年もこのレシピで作った鼻うがい液を使っていて支障はありません。

しかし精油は天然自然の成分とはいえ、万人に安全とは言い切れません。

使用はあくまで自己責任、が基本です。

 

繰り返しになりますが、ペパーミントの入れすぎには十分注意してくださいね。

それから、鼻うがい、鼻呼吸の重要性、口呼吸の危険性については、今井一彰氏のこの本がわかりやすくてタメになるので、おすすめです。

 

では今日はこの辺で。

 

[作成 2021/6/16]

[加筆修正:2024/3/21]

[加筆修正:2025/2/08]

特報!

鼻うがい液、作ってみたいけど道具をそろえたり、材料を軽量するのが面倒だなぁ
というあなたのために、自作キットを作ってみました
 
材料費350円
送料が250円、
ネットの販売手数料が120円、
わたしの手間賃が500円
しめて1220円。
50日分作れます。
 
ハナノアだと50日分で7,000円近くするので、これでもずいぶん安上り。
 
注文いただいてから作るので少し時間をいただきます

■参考文献

 

※1 アロマセラピーサイエンス,バルチン,2011

※2 免疫力アップ!呼吸にまつわるふかーい話―息育のすすめ,今井一彰,2015

※3 Bスポット療法(上咽頭擦過療法:EAT)

※4 上咽頭炎、鼻咽腔炎、上咽頭がん

※5 ジャン・バルネ博士の植物‐芳香療法,p58