内田夕夜オフィシャルブログ「夕夜のブログ」by Ameba-哀しき獣.jpg

金星の太陽通過、見られた方がいらっしゃって良かったです。


愛知、熊本、宮崎、日本各地で見られたんですね。


私は見られなかったけれど、ちょっと嬉し!




さて、


先日発売されたばかりの映画、「哀しき獣」


ハ・ジョンウさん演じる、グナム役の声を担当しています。


ハ・ジョンウさんは、「チェイサー」でも担当し、その「チェイサー」の監督の最新作が、「哀しき獣」です。


「チェイサー」の時は、実在する連続殺人犯をモデルにしたヨンミン役。


今回は‘朝鮮族’と呼ばれる中国の朝鮮人タクシードライバー役です。


「チェイサー」をご覧になった方は想像がつくと思いますが、「哀しき獣」も、血生臭い作品です。


血生臭く、臭い物に蓋をしない作品です。


収録はとても疲れました。


けれど、とても濃密な時間でした。


疲れたと言うより、消耗と言った方が正しいですね。


毎回の収録がこんな作品だったらズタズタになるけれど、一生こんな作品に出会えなかったら飢えるだろうな。


そんな作品です。



「哀しき獣」の副題は「THE YELLOW SEA」で、原題は「黄海」と言います。


私はこの原題がしっくり来ず、中国と朝鮮に詳しい方に連絡を取り色々と教えて頂きました。


私と同じ違和感を持つ方の為にちょっと書いておきますね。


‘黄海’は中国大陸と朝鮮半島の間の海です。


中国の黄河、長江。


中国と北朝鮮の国境の川、鴨緑江。


韓国ソウルを流れる、漢河。


全ての川の水が最終的に注ぎ込む海で、他の海とは全く違う黄色の海水ゆえ、この名を持つそうです。


‘朝鮮族’の人達は、中国大陸でもあり朝鮮半島でもある二つのアイデンティティを持つ人達なので、そんな民族を象徴する‘黄海’なのかもしれません。


朝鮮族は、日本には馴染みが薄いですが、グナムを取り囲み、彼が心に抱える炎は、日本海の対岸の火事ではないはずです。



ではまた。