「妻たちのプロレス」ターザン山本 福留崇広 | 内田祥文のKeep Hope Alive♪

「妻たちのプロレス」ターザン山本 福留崇広



プロレスに関する本は数え切れないほどあると思います。
僕もいろいろと読んできましたが、この本は新しい視点でとても新鮮でした。

涙腺が緩んでしまう内容でしたよね。

逆に今までこの視点からの本が無かったのが不思議なくらいだと思ったほどです。
タイトル通り、プロレスラーの妻からの視点で話は進んでいきます。

登場するレスラーは、
力道山、高山善廣、剛竜馬、葛西純、藤波辰爾、ジャイアント馬場です。

ジャイアント馬場の奥さんの元子さんは亡くなられたため、直接のインタビューはありません。
これはとても残念なことですが、それでもイメージを膨らませ説得力のある内容でした。

力道山というレスラーは日本プロレス界の父と呼ばれる偉大な人ですが、
噂されることとか、亡くなり方とかのイメージがあまりいいものではなかったので、
かなり誤解していた部分があったなぁと思いましたよね。

力道山の奥さんは今も健在でいらっしゃり、ここでのインタビューはかなり貴重じゃないかと思います。
最後は泣けるくらいでした。

プロレスラーも人間ですから、恋もすれば結婚もして家族があります。
それは我々一般庶民と同じですが、職業柄、その奥さんはかなり大変な思いをしています。
かなりドラマ性のある人生を送っていると言いますかね。

登場するレスラーは全員が全員、スターではありません。
なかなか売れない時期もあったり、山あり谷ありのレスラー人生です。
それはどんなレスラーでも同じなんですよね。
それでも登場する奥様方たちはとても前向きで明るく、最後まで夫と闘い続けています。

そんなところが本書のキモなのかなぁと。

たった6人のレスラーの妻の話で一冊の本が出来、なおかつ中身の濃いものであったから、
これは次があってもいいんじゃないかと思いました。
むしろパート2を読んでみたいと思います。

その時のレスラーは誰で、その奥さんはどういう人生を共に歩んでいるのか?

それと、この視点があるのであれば、逆の視点があってもいいんじゃないかとも思いました。
女子プロレスラーの夫からの視点です。
まぁ、こちらはなかなかいないんで難しいかも知れませんが・・・。
女子レスラーは早くに引退するか、現役を続けているレスラーはやっぱり独身ですしね。


リングの上でプロレスラーは輝きを発しますが、その裏側にもドラマがあることが分かります。

本書はプロレスファンには是非とも読んでもらいたい一冊だと思います。